ヤマダ電機に負けない「弱者の戦い方」―セブンとアトム、ヤマグチに学ぶNo.1企業との共存の法則 月刊「技術営業」編集部 (編集) #150

8月 11th, 2010 by blogown

弱者の戦い方 月刊「技術営業」編集部 (編集) #150

結構なスローペースで読書感想文を書いているわけですが、ようやく150冊目になりました。

そういう節目の一冊は、「弱者の戦い方」という本です。
正直言って、掘り出し物の一冊です。

家電小売業界では、大型量販店が圧倒的な存在感を持っています。
それは、業界人でない自分でもわかります。

たとえば、家電小売業界No.1企業のヤマダ電機は一社で売上高1兆7,678億円。
一社だけで、ものすごいパワーで攻めている状況ということです。

そういう業界環境下で、苦境に喘いでいるのが、いわゆる「町の電器屋さん」と呼ばれる「地域店」「地域の小さな電器専門店」です。

大型量販店の圧倒的な床面積、販売面積に比べて、弱小な経営基盤に、狭い床面積。

弱者です。

熾烈な競争下で、減少の一途をたどる弱者なのです。

しかし、一方で、このような大型量販店との競争を勝ち抜いている弱者もいるのです。

本書では、そんな勝ち抜いている3人の経営者に、強者と戦うための基本的な考え方、具体的な戦略・戦術を丹念に取材した内容が書かれています。

その3人の経営者とは、「セブンプラザ」山口社長、「でんかのヤマグチ」山口社長、「アトム電器チェーン」井坂社長の3人です。

本書に書かれている内容は、どれも非常に興味深いのですが、最も印象的なのは、大型量販店との競争を勝ち抜いている3人それぞれが、戦い方が各自異なっているという点です。

■「セブンプラザ」山口社長
九州の地域電気チェーン「セブンプラザ」。
「セブンプラザ」の戦略は、「お客様の近くでかかりつけの電器店」、つまり、「コンビニ家電店戦略」です。

「コンビニ」のように、明るく、清潔感のある店舗で、最寄品、小物商品、消耗品のような商品を多数扱うことで来店頻度を向上させ、「お茶だしサービス」などのおもてなしもきっちりと行う
加えて、加盟店の経営者にそれぞれきっちりとした経営知識を身に付けさせるなど、きっちりと、ぴっしりと経営をさせています。

■「でんかのヤマグチ」山口社長
東京町田市に大型店を構えるでんかのヤマグチ

でんかのヤマグチは、良客育成。
大型量販店の攻勢に、でんかのヤマグチは、「きめ細やかな顧客サービス・顧客満足」によって対抗しています。

1.お客様に呼ばれたらすぐにトンデ行くこと
2.お客様のかゆいところに手が届くこと
3.お客様に喜んでもらうこと
4.お客様によい商品で満足してもらうこと

経営的には、粗利益重視の姿勢で、値段は安くない。
しかし、その価格の高さは、実際には、「サービス料」。
お客様(たとえば、お年寄り)が説明してほしいといわれると、4回、5回行くように、懇切丁寧なサービスを実現するためのサービス料分なのです。

そのために、「お客を選ぶ」ということも。
1996年には、創業期から蓄積してきたお客を半分以上減らしたそう。
約3万世帯あった管理顧客数を13,000世帯にしたという。
3万世帯には、きめ細やかなサービスは無理だということ。

ちなみに、客層としては、ヤマグチの得意客には高齢者が多いそう。

■「アトム電器チェーン」井坂社長
全国500店を超える電気屋チェーンを組織するアトム電器チェーン

アトム電器チェーンは、全国主要量販店8社の店頭価格をデータ調査、さらに、メーカーや販売会社との良好な関係づくりによって、仕入れにおける大きな購買力を持つことで、価格面での力も持つ。

戦い方としては、大型量販店のウリが低価格で、地域店のウリが人間関係・サービスだとすれば、アトム電器チェーンは、低価格とサービスを両立させようとするもの。

もちろん、地域店一店舗のみでは、仕入れのための購買力が不十分。

だからこそ、アトム電器チェーンというかたちで、集まって強力な購買力を生み出し、低価格とサービスの両立を目指そうというのです。

圧倒的な力を持つ強者に対して、弱者はどう戦うべきか。

そのやり方は、いくつもあるということに気づかされます。

非常に考えさせられる内容です。

ヤマダ電機に負けない「弱者の戦い方」―セブンとアトム、ヤマグチに学ぶNo.1企業との共存の法則 月刊「技術営業」編集部 (編集) #150

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