「米シティ、損失550億円の可能性」を読んで
admin 米金融大手シティグループは7日、ニューヨーク州司法当局などとの和解で、約73億ドル(約8千億円)分の金融商品を個人投資家らから買い戻す方針を決めたことで、現時点で5億ドル(約550億円)程度の損失が出る可能性がある、と発表した。
買い戻す方針を決めたのは、次の理由による。
シティが買い戻すのは、定期的に入札方式で金利を見直す「オークションレート証券(ARS)」。リスクがあるにもかかわらず「安全で、現金のように流動性が高い」と説明して販売した疑いがあるとして州司法当局などが調査していた。
この発表を受けて、米証券大手メリルリンチは7日、同社が販売した100億ドル(約1兆1千億円)規模のARSを来年以降、個人投資家などから買い戻すと発表した。米銀行大手のバンク・オブ・アメリカも、関連会社がARSに関して複数の州司法当局などから召喚状を受けていることを公表。大手金融機関の間でARSの買い戻しが広がり、新たな損失が拡大する可能性が出てきた。
これらが損失につながったのは、司法当局がプッシュしてきたからであって、自主的に行動したからではないところがポイントだ。
つまり、もし、ARSの販売方法に対して、司法当局が問題視しなかったとしたら、シティグループを含めて金融機関は買い戻さなかったというわけだ。さらに、同じような販売方法だったと思われるのは、シティグループのみならず、メリルリンチ、バンク・オブ・アメリカも含まれるようだ。
一般的に見れば、ビジネス倫理の欠如だということだろう。
リスキーな金融商品を何も知らない客に「安全で現金みたい」だと言って販売したわけだから。
これらの問題が洋の東西を問わずに行なわれていることは疑問の余地はない。
金融商品は、どんなものでもリスクを伴うものであるが、ここで正直に「リスクがあります」と言ったなら、売りづらくなることは明白なのだから。
それは、つまり、単純に売上を上げ、金儲けをするのであれば、多少の不誠実な説明をしたほうがやりやすい、という事実だ。そして、それは悪徳商法の会社のみならず、米金融大手シティグループ、米証券大手メリルリンチ、米銀行大手バンク・オブ・アメリカという世界に名だたる超大企業によってさえ、実行され、その効果を示している。
もちろん、日本企業でも、例外に当たらず、さまざまな会社、金融関係は主として行なわれているだろう(というよりも、そもそも金融商品を販売している営業担当者自身が、自分が販売している商品がどのようなものなのかを理解していないことが多いのだ)。
しかし、ここで問題がある。
そのように、ビジネス倫理に欠けたやり方で金を稼ぐ人生を、生きたいのか、という問題だ。
対立軸は、金儲けをする上で、ビジネス倫理を重要視すべきか、すべきでないか、だ。
そして、重要なことに、ビジネス倫理を重要視すれば、売上ベースの成長、規模の拡大は、重要視しない場合に比べて低くなってしまう。短く言えば、ビジネス倫理を軽視したほうが、金儲けをしやすい、というわけだ。
人生は一度きり、どのように生きるのかは、自分で選べること。
ビジネス倫理に関する現実、たとえば、金儲けの難易度の変化、多くの企業がやっていること、規模の大小を問わないこと、を知った上でも、それでも、少なくとも、僕はビジネス倫理を重要視しながら、お金を稼いでいきたいと思っている(ナイーブな青い子供なだけなのかもしれないが)。
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