「ふつうの億万長者」徹底リサーチが明かす お金が“いやでも貯まる”5つの「生活」習慣 トマス J スタンリー (著), 本田 健 (翻訳) #123

12月 23rd, 2009 by blogown


本書のメッセージは、「本物の資産家になるには、質素倹約であれ」。
本書は、蓄財と消費の関係性についての考察がメインである。

浪費を繰り返す人たちは、次のような人だという。

ファッション界や小売業界で言うところの「上昇志向の人」、つまり、金持ちのように見えるけれども、金持ちになりたいと願っているだけの、金持ちではない人

そして、金持ちが金持ちになれる理由。

金持ちが金持ちになったのは、ぜいたくをしたいからではない。そして、金持ちが金持ちになれたのは、ぜいたくをしなかったからだ。

また、極めて興味深い話が、浪費と育った環境についての関係について述べられている部分。

高くないスーツを着ている人は、おそらくミドルクラスの生まれですね。両親は決して金持ちではないけれど、いわば安心して暮らせる収入があったのでしょう。両親の社会的地位や持ち物について、恥ずかしく思うことなく育った人です。

ぜいたくなヘアスタイル、2000万ドルの家、引き出しいっぱいの高級時計、複数のフェラーリ、オーダーメイドの服、2000本のビンテージワイン。これらは成功のシンボルの域を超えている。非常に裕福な人のなかで、ミスターMのような消費パターンをとるタイプの人には、共通する経歴がある。たいていは、経済基盤がほぼゼロに等しい家庭で育っているのだ。ミスターMの父親は、工場の非熟練労働者で年間所得は2万5000ドル以下だった。また、両親とも大学を出ていない。

「浪費する億万長者」には、貧しい境遇から叩き上げてきたケースが多い。

全体として、興味深い話が多いのだが、本書を通読する上で、把握しておかなければならないことがある。

それは、本書における「億万長者」の定義である。

本書では、100万ドル以上の資産を持つ人のことを億万長者と呼ぶ。

つまり、これはストックが大きい(純資産が大きい)人を定義づけしているということになる。
その定義からして、全体的にディフェンシブ(守りが堅い)、堅実、質素・倹約である人が多いこととなり、所得レベルはそれほど大きなファクターではなくなる。

そのため、所得を大きくすること、たとえば、年収XX万円や年収1億円といった方向性とは異なることは把握しておくべきことではある。
要は、稼ぎを多くするのではなく、本当の豊かさを考えましょう、というメッセージであるわけだ。

そのため、キャッシュフローの大きな人、所得の高い人は、本書のメッセージをそのまま、額面どおりに受け取りすぎてもいけないと思う。

たとえば、ディナーに高い金は払わない、というメッセージがあるが、重要な会合がディナーというかたちでセッティングされた場合、ビジネス上、そのディナー代は負担しなければならないこともあるだろうし、また、同様なケースは多々あるだろう。たしかに、当人の消費傾向とは異なっているとしても、だ。

つまり、どこまでこれらの考えを貫けるかどうかという点には、職業的な制約もあれば、置かれた立場、環境といった要因に左右されるということは意識しておくべきだろう。

本書で、最も賞賛されているケースは、端的に言えば、ブルーカラー、もしくは、ブルーカラーに準じるビジネスの経営者で、質素倹約をしていて、資産家である、というケースである。

そのケースからの逸脱度合によって、そうともいえない点があるのだ。

以上のように述べていくと、本書を批判しているように感じられるだろう。
しかし、僕は本書は賞賛されるべき良書だと思う。

それは、本書のメッセージの本質が価値あるものだと思うからだ。
その本書のメッセージの本質は、次のようなことにあると思う。

若者たちは、金を使うことがアメリカらしいやり方だと絶えず教え込まれます。若者のお手本になりやすいのは、巨額の報酬を受け取るプロスポーツ選手や芸能人です。来る日も来る日もマスコミは、あのスポーツ選手が購入した数百万ドルの大邸宅、この映画スターが所有するヨーロッパ車の一群といったストーリーを量産し続けています。そうした影響力のあるロールモデルたちを大々的に扱って賛美することで、マスコミは「車や家やパーティーに好きなだけ金を使えば、幸福になれる」というメッセージを送っています。しかし実際には、金を使うことは人を幸せにはしません。

つまり、「消費は素晴らしい」、「消費こそ最上の幸せである」という現代のドグマに対するアンチテーゼである。
たしかに、周囲を見回してみると、また、メインストリートで見渡してみると、あたりにあるメッセージは「金を使え!!!」「ここで金を落として!!!」というものしかない。

あらゆるマスコミやメディアは、消費を促し、雑誌の広告は素晴らしい写真で、そのブランドの素晴らしさを表現する。
テレビCMでは、流麗なボディをしたスポーツカーが消費をそそる。

しかし、立ち止まって考えてみよう。
本当に、それが幸せにつながるのだろうか

高い収入を稼ぎ、色々なモノに大金を払う。
そうすれば、ぼくらは本当に幸せになれるのだろうか。

そう考えさせる一冊である。

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