プロフェッショナルの条件 P・F. ドラッカー (著),上田 惇生 (著) #109

9月 24th, 2009 by blogown


知識労働者にとって、時間という資源は最も貴重なものである。
そのことをドラッカーは芸術的に表現する。

『成果をあげるものは、時間が制約要因であることを知っている。
あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは、もっとも欠乏した資源である。

それが時間である。

時間は、借りたり、雇ったり、買ったりすることはできない。
その供給は硬直的である。
需要が大きくとも、供給は増加しない。
価格もない。
限界効用曲線もない。
簡単に消滅する。
蓄積もできない。
永久に過ぎ去り、決して戻らない。
したがって、時間は常に不足する。
時間は他のもので代替できない。』

時間は代替不可能な資源であり、人生そのものでもある。
あらゆるプロセスにおいて、時間は必要であるし、かかる時間を減らせば、その分、別の事柄をすることができる。実現可能なコトの数・量を増やすためにも、充実した人生のためにも、時間を十分に意識することは重要だ。

ドラッカーの提唱する時間管理のヒントは、時間の使い方を記録した上で、仕事を整理することだ。

『第一に、する必要のまったくない仕事、すなわち、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけ、捨てなければならない。』

『第二に「他の人間でもやれることは何か」を考えなければならない』

『第三に、自らがコントロールし、自らが取り除くことのできる時間浪費の原因を排除しなければならない』

つまり、不要なコトを避け、他の人でもやれることは他人に任せ、それ以外の時間浪費要因をなくすことである。

実に基本的なアプローチではあるが、なかなか意識していたとしても、実行するのは難しい。そこにこそ、時間管理の難しさがあるのだろう。

最後にとても気になったのは、リーダーシップの本質についての記述。

『効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである。
リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を決め、それを維持する者である。
もちろん、妥協することもある。』

リーダーについて、考えさせられる。

プロフェッショナルの条件 P・F. ドラッカー (著),上田 惇生 (著) #109 You can buy this book on amazon.

Posted in お仕事領域, ハーバード・ビジネス・レビュー関連, ビジネス書全般など, ベストセラー, 時間管理, 経営戦略, 自己啓発 | No Comments »| タグ: , , , , , , , , , ,

20代で始める「夢設計図」-必ず“スピード成功”する5つの原則 熊谷 正寿 (著) #108

9月 18th, 2009 by blogown

GMOグループのトップ、 熊谷正寿氏の本。

スピード成功、夢をかなえるというテーマで現在の活動との関連を感じ、読む。

特に感じ入ったのは、下記の部分。

『どんなアルバイトであろうとも、「一番になる!」、「今後に役立つ何かを吸収してやる!」という気概をもって、与えられた仕事に一生懸命取り組む姿勢が必要だと思うのです。』

『私は自分自身に対しても、社員に対しても、口ぐせのように、「一番になれ!一流になれ!」と言い続けています。』

『お客様は常に、自分が払うお金の対価として、最高の物・サービスを買いたいと思っています。』

要は、意識の問題であり、向上心、前向きな姿勢といったところだろうか。
マインドとして、方向性として、一番・ナンバーワンを目指すことで、スキルやビジネスの質も高まるし、シェアをとっていくこともでき、収益性も高まる。

お客様が常に、最高の物・サービスを買いたいと思っている以上、一番・ナンバーワン、一流になる必要がある。
それは、どの分野でも、何をしてても同じだと思う。

己を振り返らざるを得ない。

『(起業してもおそらく9割方は失敗する・・・)そういう事実があるのになぜ、私が若者に起業を勧めるのか、それは、事業に失敗すること自体が、経営を知る貴重な経験、勉強になるからです。

不幸にして最初の起業に失敗したら、自分の力がいかに未熟であるかを素直に受け入れ、何が足りなかったのか、なぜ失敗したのかをよく分析し、次はその轍を踏まないようにどうすればいいかを考えることです。

きっと、一回りも二回りも成長した自分になって、自信をもって再び起業に挑戦することができるはずです。』

起業をして、たとえ失敗したとしても、貴重な経験・勉強をしたことになる。
そうすれば、次に起業したときには、フィードバックしてもっとうまくやればいい、というわけだ。

要は、経験とそれを反映させて、行動を続けていくことの重要性を示しているのだ。

スピーディにさまざまな経験をして、スピーディに反映させ、さまざまな行動をしていきたい。

20代で始める「夢設計図」-必ず“スピード成功”する5つの原則 熊谷 正寿 (著)  #108 You can buy this book on amazon.

Posted in お仕事領域, ベストセラー, マインドセット, 人脈, 仕事術, 時間管理, 自己啓発, 起業 | No Comments »| タグ: , , , , , , , ,

貧困の終焉 ジェフリー サックス (著) + 世界を変えるお金の使い方 山本 良一 (著), Think the Earth Project (著) #103,104

8月 15th, 2009 by blogown

はるか遠くの地では、構造的な苦難に直面し、飢えと病気に苦しみ、汚染された飲料水を飲み、極貧のうちに生涯を終える人々が存在している。

経済発展をハシゴにたとえ、その段を上がることが経済的な幸福につながると考えるなら、世界中でおよそ十億人(全人類の6分の1)が現在、開発のハシゴの一番下の段にさえ、足のかからない人々が存在しているのだ。

本書は、私たちが生きているあいだに世界の貧困をなくすことについて書かれた本だ。

この世界がすべて正しい方向に進んでいるとはかぎらない。
アメリカ政府は4500億ドルを軍事費に回す一方で、世界の貧困対策には150億ドルしか投入していない。

世界の貧困を救うよりも、戦争に対して30倍ものお金を使っているというのが現実なのだ。

たとえば、ケニアのサウリでは、人々は飢えとエイズとマラリアに苦しんでいる。
成人のエイズ罹患率はおよそ30%。ほぼ全家庭が、エイズのせいで親を亡くした子供を引き取っている。しかし、その一方で、エイズ治療である抗レトロウイルス治療は、誰も受けていない。

4分の3の家庭には、マラリア患者がいる。しかし、すべての家庭がひとつ数ドルのマラリア予防の蚊帳を知っていて、使いたいと望んでいるにもかかわらず、実際に使っているのは200人中2人だけ。高すぎて、買うことができないのだ。

病気にかかってしまったとしても、事態は好ましいとはいえない。なぜなら、医師がいないからだ。それは、医師への給料が支払えず、薬も買えないためだ。

児童のほとんどは、授業料、制服代、備品などのお金がないことから、中学に進学できない。そして、ほとんどの児童は、授業のあいだ、空腹ですごすことが多い。

現状の問題を端的に述べよう。

この村や似たような世界中の貧しい村は、救うことができ、開発への道を歩むことができる。

しかし、自力ではできない。なぜなら、彼ら自身が自分たちでそのコストをまかなうには大きすぎる金額だからだ。

ただ、彼らにとっては大きすぎる金額でも、世界にとってはわずかな金額にすぎないのである。

では、このような飢えと病気と死によって彩られた極貧の社会を健康で経済開発の可能な社会へと変えるためにどのようにすればいいのだろうか。それには大きく5つの項目がある。

1.農業への投資
肥料、改良休閑地、緑肥、雨水貯留などの導入で、1ヘクタールあたりの食料収穫量を3倍に増やすことができ、長期的な飢餓の解消につながる。

2.基本的な健康への投資
住民5000人につき、医師と看護師1人ずつのいる診療所をつくり、マラリア予防の蚊帳を無料で配給する。基本的な各種医療サービスの提供。

3.教育への投資
児童の健康状態改善と教育成果、出席率向上のため、小学校の全児童への給食を受けられること。職業訓練の充実によって、近代農法、コンピュータなど、自立に必要な知識を学ぶことができる。

4.電力、輸送、コミュニケーション・サービス
電力によって、安全な水をくみ上げるポンプ、製粉、加工、電灯などが利用できる。加えて、移動手段の充実と外界とのコミュニケーションが可能になることで、社会的な孤立を防ぐことができる。

5.安全な飲料水と衛生設備
汚染された水を飲まずにすみ、女性や子供たちが毎日何時間もかけて水汲みしなくてすむようになる。

たとえば、ケニアのサウリ住民5000人に対して、これらのサービスにかかるコストは、トータルで年間35万ドル。サウリ住民1人あたりにすれば年間70ドル。

これらの項目に対して、世界にとってはわずかなコストを支払うことで、極貧住民たちの自立支援を行うことができるのである。

豊かな社会に生きているために気づかないでいるだけで、はるか遠くの地では極度の貧困にあえぐ人々がいる。

彼らは自分たちの声を伝えていくことができないために、多くの人は彼らの存在を意識することもなく日々をすごしている。

しかし、彼らの存在に気づき、少しでも何かできたとすれば、少しではあるが、よりよい社会になっていくのではないだろうか。

それでは、よりよい社会のために、私たちが何ができるのか、を考えてみよう。

参考になる書籍として、「世界を変えるお金の使い方」がある。

本書は、「お金をどのように使うべきか」について論じた本であり、社会貢献できるお金の使い方について書かれた本である。

世界をよりよい場所にするために、豊かな社会に住む私たちが少しばかりのお金でできることについて、わかりやすく伝えてくれている。

前述のジェフリー・サックスの書いた書籍の流れから、極度の貧困に関係するお金の使い方について、少し書き出してみる。

100円で・予防可能な感染症の中で死亡率が高く、手足に重い後遺症を残すポリオからミャンマーの子ども5人を守ることができます。

500円で・西半球の最貧国、ハイチ共和国の診療所で、不足しているお医者さんをひとり雇うことができます。

1兆2,000億円で・教育の機会を与えられていない世界中の子供たち全員が初等教育を受けられます。

最後の項目は、非常に大きな金額のように感じる。しかし、本書の下部には、こう書かれている。

「1兆2,000億円・世界全体の軍事費、4日分」
2003年の世界での軍事費は合計9,560億ドル
1日あたり26億2,000万ドル。

1週間分の軍事費を教育費に回せば1億人を超える子供たちが十分な基礎教育を受けられることになる。

誰かが言った。

「少年は年をとり、大人になるにつれて、社会の理不尽さについて学ぶ」

たとえ、大人になって、社会の理不尽さを学んだとしても、それに抗うことをやめてはならない。

自分だけの未来ではなく、社会全体の未来を。
世界をよりよい場所とするために。

本書には、具体的にどのようにアクション、行動すればいいのかが案内されているので、本書を参考に、具体的な行動をされてみてはいかがだろうか。

追記:
なぜ、このような格差が生じたのか。
なぜ、経済発展に差が生じたのか、というテーマについて深く知りたいと考えたとき、この問題の背景を知りたいと考えたときに参考になる本としては、「銃・病原菌・鉄(上下)」ジャレド ダイアモンド (著)(草思社刊)がある。
銃・病原菌・鉄〈上巻〉 ジャレド ダイアモンド (著)
銃・病原菌・鉄〈下巻〉 ジャレド ダイアモンド (著)

貧困の終焉 ジェフリー サックス (著) #103 You can buy this book on amazon.
世界を変えるお金の使い方 山本 良一 (著), Think the Earth Project (著) #104 You can buy this book on amazon.

Posted in ビジネス書全般など, ベストセラー, マインドセット, 名著, 社会変革, 社会科学, 自己啓発, 読書感想文, 豊かになる | No Comments »| タグ: , , , , , , , , , ,

B型自分の説明書 Jamais Jamais (著) #95

5月 13th, 2009 by blogown

ぼくはB型だ。

この本は、よくある占い本と似たような趣向である。
つまり、誰にでも当てはまるようなことが書かれているわけだ。

基本的には「あるあるー」ネタで構成されていて、自分に当てはまっていれば「あるあるー!」であるし、当てはまってなければ無視されるという、受け手の都合のいい思考回路を以ってウケがいい本である。

チェックボックスがあり、それにチェックを入れていくと、説明書が完成するという、つくりになっているところが、なるほどと思わせる。

と、滔々と述べてきたが、「オセロでは黒を持ちたい」タイプであったり、「地面に寝転がりたくなる」タイプであったりするので、個人的には「あるあるー!!」だ。

素直に面白いと思う。

B型自分の説明書 Jamais Jamais (著) #95 You can buy this book on amazon.

Posted in ベストセラー, 読書感想文 | No Comments »| タグ: , , ,

夢をかなえるゾウ 水野敬也 (著) #92

4月 30th, 2009 by blogown

ぼくは、この本に社会を見た。

主人公は、フツーの会社員。

あるきっかけで、いわゆるセレブのパーティに参加して、格差を見せつけられる。
ハイタワーマンション、大きな部屋、アイドル。
華やかな世界。
自分の現実。
敗北感。

上ではない。
かといって、下でもない。

働かないヤツよりはマシ。
マイルドな敗北感。
甘い絶望。

不意に訪れる破壊衝動。

主人公は思う。
このままで終わりたくない。お金持ちになりたい。ちやほやされたい。成功したい。有名になりたい。なにか、こう、自分でしかできないような大きな仕事がしたい。今のままじゃダメだ。

それでも、変われない自分。
変わりたいと思っている。
けれども、「どうせ変われない」という思いも、うっすらと頭にある自分。

現代の若手、30代前後の人間であれば、たいていは当てはまっているだろう。それだけ、社会をあらわしている。だからこそ、100万部突破のベストセラーになったのだろう。

本書が読者にもたらすもの、それは主人公とのシンクロ。読者は、主人公に自分を投影し、ダブらせて、変わりたい衝動をこめながら読んでいるのだ。

夢をかなえるゾウ 水野敬也 (著) #92 You can buy this book on Amazon.

Posted in ベストセラー, 自己啓発, 読書感想文 | No Comments »| タグ: , , , , , ,

レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 本田 直之 (著) #88

4月 17th, 2009 by blogown

レバレッジコンサルティング(株)代表取締役社長で、ハワイに拠点をかまえ、年の半分をハワイですごし、ベストセラー『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新報社)を代表としたレバレッジ・シリーズの著者、本田直之氏がスケジューリング、ToDoリスト、睡眠、隙間時間etc.最小の努力で最大の成果を上げる「時間投資」のノウハウについて語ったのが本書。

まず、興味深かったのが「時間の天引き」だ。

時間資産を増やすうえで、もう一つ重要なのは、「天引き貯金」の発想です。
お金を貯めるための、最も確実な方法は、収入のうちの一定額をあらかじめ貯蓄に回し、残ったお金で生活するという方法です。無計画に使うだけ使ってしまって、残ったお金を貯蓄に回そうという考え方では、まずお金は貯まりません。

暇ができたら本を読もう、時間が余ったら新しい事業について勉強しようと思っていても、「いつか」「そのうち」というときはやってきません。重要なのは、やりたいこと・やるべきことのための時間を、あらかじめスケジュールから「天引き」してしまうことです。

これは、非常に重要なタイムマネジメントの方法だと感じる。

つまり、あらかじめスケジュール上、天引きすべき事柄を天引きしておいて、それ以外のスケジュールを埋めることで、天引きすべき重要な事柄を十分にこなすことができるようになるというわけだ。

そうしないと(個人的にも、大きな痛い目を見た上で感じることであるが)、重要ですべき事柄でさえ、こなすのに必要な時間をとることができず、結局、ダラダラしてしまうか、やらずに終わってしまうこと、ペンディングになってしまうということになってしまうのである。

また、本書が提唱しているのは、「レバレッジ・スケジューリング」というもので、「俯瞰逆算スケジュール」と「時間割」、そして「タスクリスト」の三つ。それぞれ興味深いのであるが、ここでは「俯瞰逆算スケジュール」について注目したい。

「俯瞰逆算スケジュール」のポイントは、予定全体を俯瞰すること。そして、成果を上げるためのタスクを逆算して考えることです。

アクティブ・スケジュールに必要なのは、まず明確なゴール設定です。○月○日に新規事業を立ち上げる、売上を二〇%アップする、新規顧客を獲得する、本を出版する、といった成果につながる重要な課題をだいたい三カ月先まで見通します。そして、私の場合は、これをカレンダーに書き込みます。

その上で目標達成のためにやらなければいけないことを、何段階かのステップに割り振り、ほかの予定とのバランスをとりながらスケジュールに落とし込んでいきます。

具体的には、目標が売り上げアップであれば、目標の数字をクリアするには何社から注文をとる必要があるか、そのためには○日までに何社にアプローチする必要があるのか、そのためにはどんなリストや資料が必要か、リストや資料はいつまでにそろえる必要があるのか、と考えていくわけです。

今日何をすべきか、明日何をすべきかは、すべてゴールから逆算することで決まります。

この「俯瞰逆算スケジュール」も極めて興味深い。

なぜなら、目標設定のテーマについては、さまざまなところで頻繁に目にするが、いざ実行段階、予定に落とし込むというところに行き着くまでには大きなハードルがある。

しかし、この「俯瞰逆算スケジュール」のコンセプトを活用すれば、ゴール設定をした上で、三か月先まで見通して、重要な課題を書き込み、その目標達成のためにやらなければならないことをステップに割り振ってスケジュール化していくのだから、明確にゴールに近づくということになっていく。

実際にこれらの考え方を反映させて行動に移していくには、時間がかかりそうだが、効果的な方法論だと感じるので、実行に移していきたいと思った。

Posted in ビジネスシステム, ビジネス書全般など, ベストセラー, 仕事術, 仕組み化, 時間戦略, 時間管理, 経営戦略 | No Comments »| タグ: , , , , ,

「婚活」時代 山田 昌弘 (著), 白河 桃子 (著) #68

1月 9th, 2009 by admin

「パラサイト・シングル」「格差社会」で知られる、家族研究を専門としている著者、山田昌弘氏と結婚や恋愛を中心に取材しているジャーナリストである著者、白河桃子氏が共著したのが本書。

目次:amazon.co.jp

1 「婚活」時代の到来
2 結婚したくてもできない!
3 「婚活」前時代vs「婚活」時代
4 彼と彼女が結婚できない理由
5 結婚したいのにできない社会的要因
6 現代日本、「結婚」と「婚活」の実態
7 四十歳からが結婚適齢期?三十五歳からの婚活
8 成功する婚活

タイトルの「婚活」とは、「結婚活動」の略で、よりよい結婚を目指して、合コンや見合い、自分磨きなど、積極的な行動のことを指す。

なぜ、婚活が必要になったのかというと、男女交際に関する規制緩和が起きたことで、自動的に結婚できない時代が到来したため。

本書を読んで、僕が一番興味をひかれたのが、「結婚できない」ロジックだ。

女性パターンA・従来型の結婚の場合
従来型の結婚というのは、男性に経済的に依存した、男性がメインで稼いでほしいということ

1.この場合、女性は、結婚相手に今の自分の二倍の年収を望む
2.しかし、該当者(候補者)は、ほとんどいない(該当者の多くは、既婚者)
3.その結果、条件を満たす男性との出会いはほぼない
4.ゆえに「結婚できない」

女性パターンB・スーパーキャリアウーマンの場合

1.この場合も、自分より仕事のできる男性を望む(要は、仕事と年収)
2.加えて、一方の希少な該当者は、「自分をバックアップしてくれる旧来型の女性を好む」
3.その結果、条件を満たす男性との出会いはほぼない
4.ゆえに「結婚できない」

このようなロジックによって、結婚できないという現象が起こる、と。
環境的な要因を除いた、それらのロジックを引き起こす個々の要因を要約すれば、こうなる。

男性の結婚できない要因は、1.経済力、2.コミュニケーション能力
女性の結婚できない要因は、1.結婚相手に対する要求水準の高さ(つまりは、上記に書いたもの)、2.運

これらの個々の要因やその他の環境的・社会的要因を含めて考えると、最終的には、「豊かさ」がもたらしたものだと感じる。豊かさ、そして、多様性は、社会生活に対しては、ポジティブな影響を与えたかもしれないが、一方で、「結婚」という現象に対しては、ネガティブな影響を与えたと思う。

たとえば、多様性の象徴として見ることのできるスーパーキャリアウーマンは、結婚しなくても生きていくことができてしまう。

数世代前は、女性参政権でさえ問題となり、女性運動が盛んであったことを考えると、その当時には、想像もつかなかった生き方である。しかし、急速な発展は、その生き方を可能にし、「結婚しない」という選択肢を可能にしてしまっている。

これらのストーリーとロジックをたどっていると、現代日本の一面をかいま見ることができる。
日本という社会が変化をしていくにつれて、個々人の生活スタイル、ひいては「結婚」問題にもつながっていくというわけだ。

なんだかんだ言って、僕自身も「婚活」時代の真っ只中にいるわけで、しかも独身なので、ものすごく共感の持てる問題だった。

「婚活」時代。
仕事だけでも、大変なのに、もっと大変な活動が増えた時代になったものだ。
時間がより重要視される資源となることだろう。

68冊目

Posted in ベストセラー | No Comments »| タグ: ,

読書進化論 勝間 和代 (著) #58

10月 5th, 2008 by admin

経済評論家でベストセラー作家の勝間和代氏が、ウェブ時代の読書について解説したのが本書。
本書の概要は、次の通り。

第一章は、勝間氏による読書についての全般的な議論。
第二章は、ウェブ時代における本の読み方について。
第三章は、ウェブ時代における書き手について。
第四章は、ウェブ時代における本の売り方について。

小学館:読書進化論

読書進化論 人はウェブで変わるのか。本はウェブにまけたのか
はじめに
勝間和代著作一覧
序章 成功や自由は、読書で手に入れる
第一章  人を進化させる読書がある
第二章 進化している「読む」技術
第三章 「書く」人も進化する
第四章「売る」仕組みを進化させる
終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
私を進化させた20人の著者
巻末資料
おわりに

ベストセラー。

ウェブ時代の読書、という観点から書かれた本ではあるが、通常では、第一章や第二章のように読者側のテーマである読み方などがメインテーマであろうが、読者としては、直接、関係しない部分である書き手について、本の売り方についてなど、「メイキング」的な要素が半分程度を占めているというのも珍しい。

個人的に、非常に印象的だったのは、著者である勝間氏が本を書く上で、「読者を自分の本の中に閉じ込めない」ということを心がけているという部分だ。

この本で紙面が足りずに書ききれないものや、すでに市場に出ている優良な関連コンテンツについては、ウェブや書店で自由に検索して参考文献に当たってほしい、というメッセージです。

また、本の発表後も、講演やサイン会を行ったり、ブログで感想を集めたり、ブログ上の読者の書評などもこまめに観察していきます。そして、さらにそういったその後の経緯や読者の反応を集計してブログでまとめるなどして、読者とコミュニケーションを取りながら、一緒に進化していけるよう、環境を整備しています。

このようなやり取りをしていくと、本の部分のどこがわかりやすく、逆にどこの部分について、読者がもっと情報が欲しいと思っているのか、そしてその情報のうち、既存の書籍でカバーされていないところはどこなのかが、わかってきます。
そのような情報をまとめて、読者のみなさんが欲しがっている本を新しく出版し、その本を使ってさらに読者と一緒に進化していく、というように、オープンシステムをつくりながら、新しい本を作っていくことを心がけています。

本書のこの部分を読んで、僕は、勝間氏がベストセラーを連発する理由の大きな一端を垣間見た気がした。

それは、これまで、勝間氏が採っているようなオープンシステムを用いて、執筆活動をしている著者がいなかったからだ(少なくとも、僕は知らない)。

これまでの著者(もちろん、現在もであるが)は、基本的に「雲の上の存在」といったイメージで、執筆活動もクローズ、日常の情報もクローズ、読者とのコミュニケーションも少ない、というパターンが典型的だと言える。良くて、ブログ上の書評を観察する、といった程度だろう。

しかし、著者は、それを行ったというわけだ。

たしかに、著者の勝間和代氏はベストセラー作家となり、カリスマ的なイメージを持つ。

しかし、一方で、公式ブログのタイトル「私的なことがらを記録しよう!!」のように、私的なことがらをオープンにするような手法で、親近感をもたらし、読者とのコミュニケーションを図ろうとしている。

これは、著者が別の著作で述べていたように、世代的な要因、つまり、ウェブ親和性が高い世代であることが、大きいのかもしれない。

著者の平均年齢はよくはわからないが、50代から60代といったところだろう。この年代になると、ウェブベースで活動することは非常に障壁が高い。

メール、ネットサーフィン程度であれば可能かもしれないが、ブログの開設は困難であるし、本書のなかで言及されているようなスタイルシートをいじるなどといった行為は、非常に難しいだろう。

このように、オープンシステムを実行する著者がいないなか、勝間氏だけが、それを敢然と実行したということ。
それが、勝間氏がベストセラーを連発する理由のひとつとなったように感じた。

本書だけを見ても、さまざまなURLが散見されるし、巻末資料もさまざまな本が紹介されており、また、「私を進化させた20人の著者」というかたちで、影響を受けた著者を挙げ、読者に指針を与えている。

これは、以前、ある書店で見かけたフレーズ「どうしたら、勝間さんみたいになれるんですか?」という読者の声を反映しているように思える。

要するに、本書の主旨であるウェブ時代の「人生を変える本の使い方」をまさに実践しているというわけだ。

読者のダイナミズムを、ウェブなどを通して活用し、著書に反映させる。
また、その著書が、次なる読者の波を生み出していく。
そういうフィードバック・ループを活用し、執筆活動ができるというのも、ウェブが普及したからだといえよう。

しかし、このスキームを用いて、執筆活動ができるのは、勝間和代氏のような自己啓発分野や一般ビジネス分野のようにブログ開設者の多いカテゴリに限定されてしまうとも見ることができる。

そのため、比較的ニッチな分野の場合は、難しいとも言えるが、これから先は、このようなスキーム、オープンシステムと類似の方法論を用いて、執筆活動が行われるようになるのかもしれないな、と思った一冊。

58冊目

Posted in ベストセラー | 1 Comment »| タグ: ,

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法 勝間 和代 (著) #54

9月 19th, 2008 by admin

ダイヤモンド:目次

はじめに 数々の資格・賞を取得した新・知的生産術を公開!
第1章 自分をグーグル化する方法
第2章 情報洪水から1%の本質を見極める技術
第3章 効率が10倍アップするインプットの技術―アナログ手法とIT機器を融合させる方法
第4章 成果が10倍になるアウトプットの技術―マッキンゼー直伝! ピラミッド・ストラクチャー&MECE
第5章 知的生産を根底から支える生活習慣の技術―すき間時間、体力、睡眠に投資する発想転換のススメ―
第6章 自分の力が10倍アップする人脈作りの技術―情報のGive5乗の法則―
最終章 今日の5つの新しい行動から明日を変える!
巻末フルカラー付録 愛用IT機器・ソフト16、お薦め書籍116、厳選英語Audio Book33リスト付き

ベストセラー。

現在、ものすごい露出で、出す本出す本がベストセラーの経済評論家、勝間和代氏が、マッキンゼー、JPモルガンで培った知の技術を公開したのが本書。

勝間氏の著書は、結構読んでいると思うが、どの本も文章構造や論理構成が実にエレガントである。
氏の論理的思考が表れているのだと感じる。

本書の内容としては、「情報が大事」であり、「情報を見極めることが肝心」であるので、そのためには「インプット」と「アウトプット」の技術を身につけなければならず、その実践のためにも、「生活習慣」を改善したり、「人脈作り」にいそしむ必要がある、というもの。

本書で印象的だったのは、次の文章。

よく、インプット対象について、本を読んだり人から聞いた時に、「そんなことはわかっている」「内容が平凡である」などと批判をする人がいます。しかし、実際にアウトプットをしてみると、いかに自分の考えを、他人にわかりやすくまとめあげることが大変かよくわかります。したがって、その人以上にすぐれたアウトプットを出す自信がない限り、どのような内容においても、それを平凡であると批判することはできません。

勝間氏自身が、そういう風に言われているんだなーと。
本人が、心の底から言いたかったことを書き上げた文章なのだろう。

また、意外だったのが、合理的行動を重視している勝間氏が20歳から34歳まで、たばこを吸ってきたということ。

ビジネスマン向けの仕事術本で、経済合理的な行動を心掛けている勝間和代氏のようになりたいと望む(勝間氏wannabe)ビジネスマン向けの自己啓発本で、ベストセラー。

ただ、何が知的生産かというところに議論の余地があろう。

54冊目

Posted in ベストセラー | No Comments »| タグ: , ,

たった3秒のパソコン術 中山 真敬 (著) #49

9月 7th, 2008 by admin

三笠書房:たった3秒のパソコン術

【内容】
仕事ができる人ほど、「マウスを使わない」! 「時間短縮! キーボードでクリックする法」「読みたいページをピタリと出す手品ワザ」「URLを入力する一番簡単で確実な法」など、たった3秒であなたの仕事をガラリと変える「瞬間ワザ」を一挙紹介!

ベストセラー。
東京大学法学部卒業後、出版社に入社。いくつものパソコン誌の創刊、成功に携わり“立ち上げ屋”とも称された。退社後、シンクタンク勤務を経て、2000年、企業・制作集団「企画工房」設立の中心メンバーとなった著者、中山真敬氏が、ショートカットキーを中心に「仕事と頭の回転」を速くするワザを紹介したのが本書。

仕事ができない人ほど「使わないキーが多い」。なぜなら、ショートカット・テクニックを活用していないからだ。だからこそ、非効率的なアクションになってしまう、という問題提起から書き上げられた本書。

基本的には、ウィンドウズのショートカット・テクニック集。
ある程度は、知っていたが、知らないテクニックが多かったので、少しは処理スピードが上がったような気がする。

たとえば、『「すべて選択」ではなく、サッと「8割ほど選択」したい』、は、そういうときもあるので使えそう。

細かいテクニックではあるけれども、基本テクニックは抑えておきたいもの。

頻繁に使うアクションをショートカットを使うことで効率化することは、とても効果的。
なので、もっと効率的にパソコンを活用していきたい人には最適の一冊。

49冊目

Posted in ベストセラー | No Comments »| タグ: ,

« Previous Entries

★メールニュースレター(無料)

竹内正浩メールニュースレターに登録する
お名前
Eメール

竹内正浩


竹内正浩のプロフィール
(宣言)「本ブログの方針」と「献本」について
「九州ベンチャー大学」第172回講演記録
【竹内の公開スケジュール】
ビジネス書名作選

竹内正浩の著書


『コーヒーとサンドイッチの法則 -「利益を獲得する」ための6つの戦略』竹内正浩(著)(東洋経済新報社)
『コーヒーとサンドイッチの法則』韓国語版が出版

twitter:mashiro777

★特別レポート集

★すごい本の論考

★【竹内正浩のビジネスCD・DVD】

★講演レポート

ビジネス書・書評ブログ完全ガイド

最近の投稿

Categories

ブログロール

アーカイブ:

検索:

メタ情報:

最近のエッセイ

あわせて読みたいブログ

あわせて読みたいブログパーツ

タグクラウド

Get Adobe Flash playerPlugin by wpburn.com wordpress themes