情報楽園会社 増田 宗昭 (著) #125

1月 26th, 2010 by blogown

「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長・最高経営責任者である、増田宗昭氏が自身の創業記や考えについて述べたのが本書。

本書で印象的だったのは、増田氏のリスク回避の性格(石橋を叩いて渡る性格)についてと、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のコンセプト、企画会社としての思想である。

普通、人は事を起こすにあたって、月にどれだけの売上げがあがるかを前提にする。しかし、私は万一うまくいかなかったらどうするか、売上げゼロだったらどうするか。まず、そのことを考える。売上げゼロでも家賃や人件費は払わなければならない。借金があれば返済しなければならないし、何よりも自分や家族が食っていかなければならない。新規の事業が売上げゼロでも、それだけの手当てができるかどうか。その手当ての方法をまず先に考えるのである。

まず、増田氏の性格として、リスク回避の性格であることが印象的だった。

通常、ドーンと借金して、多店舗展開。
勢いのある性格のように感じられるが、売上げゼロの場合を想定して、手当てする方法を考えた上で行動しているという、かなりのリスク回避性格。

慎重派であり、リスクを減らして色々な行動をとっていく際には、参考になる思考法であるといえよう。

次に印象的だったのは、企業の思想として、CCCは企画会社であるというものだ。

企画会社とは、このような付加価値のあるものを創造していく集団である。誰もが欲しがる新規事業の企画(ソフト)を考え出し、時代が切り拓く新しい市場に対応して、それを事業化する頭脳である。

私は企画会社としての条件には、次の三つのことが必要だと考えている。
第一は、情報の共有化ということである。(中略)各人のところで情報の組み合わせが行なわれることで、何か新しい発見、新しい企画がアウトプットされるかもしれない。これが知的生産ということだ。(中略)第二の条件は、ノウハウの共有化を推進して、個人のプログラムを強化することである。(中略)さて三番目の条件は、インセンティブ(報奨金)システムの導入、すなわち個人をきちんと評価するということである。

TSUTAYAが前面に出ているために、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、どうしてもメディア流通企業のように感じる。

しかし、トップである増田氏の考え方は一貫していて、企画会社である、ということに尽きるという。
つまり、流通・小売のように一見すると見えるのであるが、実際には知識ビジネス、知識集約型のビジネスをしているというわけだ。

たしかに、TSUTAYAをフランチャイズビジネスとして、中央にデータベース+企画を据えた陣容となっている。

このビジネス思想は、一朝一夕ではないだろう。
つまり、創業期からずっと、一貫して、このようなハイレベルなビジネスモデル、ビジネス思想を持っており、そのビジョンを実現させていたということである。
驚嘆する話である。

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顧客の信頼を勝ちとる18の法則-アドボカシー・マーケティング 山岡 隆志 (著)#118

11月 24th, 2009 by blogown


帯にあったフレーズと同じところが印象的で、考えさせられた。
『欠点もさらけ出せ!正直な会社に人は集まる』

世の中にさまざまな商品・サービスはあれど、本当に完璧なものは、なかなかなくて、欠点が必ずといっていいほどあるわけだ。

もちろん、ある人にとっての欠点は、ある人にとっての魅力であったりするのだが。。。

ここのところについて詳しく述べられているのが、「5 欠点も含め、ありのままを伝える・透明性の法則」の部分。

正直さや誠実さといった信頼のベースに深く関わるのが「透明性」。
透明性のない会社は、たとえば、重大なクレームを隠したり、重大な欠陥を隠したり、デメリットを隠したりするわけだ。
無論、会社としては、良いところだけを見せて、最高の商品であることを示して、大きな売上を上げたいわけだから、比較的、不利益な情報は隠蔽したくなる。

しかし、顧客との関係を考えた場合、信頼という観点から見ると、公開したほうがいい、というのが本論。

たとえば、モスバーガーがその月に使用している「モスの野菜」の産地・生産者情報を店舗の地域ごとに表示しているなどの試みを紹介。
http://www.mos.co.jp/quality/vegetables/farm_info/

また、「EDLP(EveryDay Low Price)」をスローガンにしている「オーケーストア」は、店舗にて「貯蔵リンゴのため、最盛期に比べて、果肉のシャキシャキした食感が少なくなっています」といったカードを棚で表示している。

その「オーケーストア」飯田社長の言葉がまた印象的だ。
例えば昨日買った商品が、今日、特売されていたらどう思いますか。がっかりするでしょう。だから特売もやめました。特売がなくなれば、売り上げの波が少なくなり、予測がしやすくなります。その結果、在庫ロスも減ります

たしかに、デメリット・ネガティブな情報を公開するのには躊躇してしまう。
それは、人によく思われたいから。
しかし、正直に、はっきりとできるかぎりの情報を公開するということが、信頼につながり、最終的には収益につながってくるのだろう。

欠点やデメリットでも、相手(顧客)のことを本当に思うのであれば、判断材料として提供すべきだと思った一冊。

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こころを動かすマーケティング 魚谷 雅彦 (著) #113

11月 3rd, 2009 by blogown


偉大なブランドを所有する企業、マーケティング会社のリーダー、それがコカ・コーラ。

そのコカ・コーラのマーケティングとは、どのようなものなのだろうか。

本書を読んで、知った感想を言えば、「実にベーシック、かつ、本質的」だということだ。

つまり、本書で一貫して述べられているマーケティング・エッセンスは、「ターゲットは誰なのか」ということなのだ。

たとえば、セグメンテーションの例で言えば、アメリカのセグメンテーションでは、ジョージアはブルーカラーのドリンクだと認識されていたそうだ。

そのため、アメリカでは、自らがブルーカラーである、という人を強く意識した広告を展開されていたらしい(マッチョ+港湾労働者のような・・・)。

しかし、日本では、ブルーカラー、ホワイトカラーという明確な分け方はないということで、いわゆる「サラリーマン」の男性、中流意識の普通のサラリーマンがターゲットなのだと著者は考えた。

そこで、ターゲットはまさにサラリーマンと呼ぶにふさわしい人たち、その人たちが一番何かを感じられるマーケティングを行おうということになる。

これはまさに、ターゲットは誰なのかを強く意識した結果だ。

また、商品開発では、ターゲットの絞り方は、かなり絞り込まれているそうで、年代、性別、ライフスタイル、職業、時には象徴的なターゲット像を具体的にイメージしてしまうこともあるそうだ。

そのビジネスにおける、ターゲットは誰なのか。
それが重要なのだ。

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“ヒトがいない、カネがない、仕事がない” 社長、ネットがありますよ! 吉田和彦 (著) #101

7月 6th, 2009 by blogown

独自のSEOとダイレクトレスポンスマーケティングの手法を駆使し、「印刷」「印刷会社」などのキーワードで検索1位を達成、お伺い営業なしの経営を展開する、恒信印刷株式会社、コーシン出版代表取締役の著者、吉田和彦氏が自身のネット戦略について述べたのが本書。

やはり気になったのは、インターネットを使った販促について書かれた部分。
特に、ホームページに何を載せたらいいのか、についてが参考になる。

1.会社概要(社歴や所在地、支店など)・会社への行き方(地図)
2.会社の理念(どんな考えでやっているか。どんな特徴の会社か)
3.商品やサービスの案内(扱っている商品や提供できるサービスの内容、値段など)
4.社長、社員の顔写真とプロフィール(社長の考え、スタッフの紹介)
5.お客様の声
6.受賞暦
7.マスコミ掲載実績
8.連絡先、問合せ方法(ホームページを見た人の問合せ先、問合せ方法)
9.必要により求人
これ以外にも「よくあるお問合せ」「用語集」「最新情報」など、載せられるものは載せましょう。

新しくウェブサイトを作成する際のチェックリストとしても活用できると感じた。
やはり、基本的なこと、ベーシックなことこそが本質なのだとも感じる。
自分のことを振り返ってみたときに、欠けているものがあれば、補充することができる。

加えて、ちょっとしたチェックとなったのは、ツール系の話。

キーワードアドバイスに関するツール:
■フェレットプラス
http://ferret-plus.com/

■Googleキーワードツール
https://adwords.google.co.jp/select/KeywordToolExternal

キーワードをベースにネットで集客する場合は、市場調査が必須。
であれば、これらのツールを活用せねばならないだろう。

また、本書には、プレスリリースの原稿が掲載されていた。
実際にプレスリリースを打つ際は、参考にしたい。

実際にビジネスを展開するときに、リファレンスとして参考にしていきたい。

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Hot Pepperミラクル・ストーリー – リクルート式「楽しい事業」のつくり方」 平尾 勇司 (著) #100

6月 22nd, 2009 by blogown

本ブログもようやく100冊目になった。
100冊目は、それにふさわしいような名著である。

本書のタイトルには「ミラクル・ストーリー」とある。

これは「ホットペッパー」が4年で全国42版展開、売上約300億円、営業利益約100億円の事業となり、近年では500億円規模となったことを指しているのだろう。

ぼくにとっては、売上約300億円・営業利益約100億円の高収益モンスタービジネスについての、この種の企業秘密的な戦略情報、ビジネスシステムについて率直に書かれた本を、たった1,575円で手に入れることができることが「ミラクル」だと思う。

このモンスタービジネスは、何によって生み出されたのか。

ぼくが見るところ、それは「研ぎ澄まされたシナリオ・ビジョン・ルート」「高度なパターン化・システム化」「高い組織運営能力」によって生み出されたのだろう。

大きな、そして、鋭く研ぎ澄まされたシナリオは、迅速な拡張をもたらすように設計されており、高度なパターン化・システム化によって、労働力の迅速な戦力化を促し、高い組織運営能力がそれらを束ねる、という構図である。

まず、「研ぎ澄まされたシナリオ・ビジョン・ルート」について見ていこう。

『「まずは飲食コンテンツに集中する
半径2キロのコア商圏でNTTデータの飲食件数のうち15%を獲得すれば、読者のマインドシェアを獲得できて、流通段階でみんなが自ら喜んで手にとって持ち帰るインフラができる

その流通インフラが確立できれば、一気に効果のある媒体になれる。
その後に美容室、キレイ、スクール、リラクゼーション、ショッピングなどのコンテンツに展開を拡大する。
そして、街の生活情報誌になる。そのために、半径2キロにある街の飲食コア商圏内の飲食店へ、特に居酒屋へ営業に行く。
1/9スペースを3回連続で受注する。
1人1日20件の訪問を実行する」

これが『ホットペッパー』の勝つシナリオだった。』

「ホットペッパー」の勝つシナリオ、それは「研ぎ澄まされたシナリオ」であると同時に、容易にイメージしやすい、「これからどのようにすればいいのか?」という関係者全員の疑問に答えることのできる、シナリオである。

そして、「ホットペッパー」という高収益モンスタービジネスの根本であり、事業モデルであり、事業戦略であり、成功の秘密のひとつである。
つまり、「ホットペッパー」という高収益モンスタービジネスの基本レシピこそが、このシナリオなのである。

このシナリオは実に驚嘆に値する。
地域密着によるエリア支配、コア商圏におけるシェアの拡大、流通インフラの確立、拡張性の方向性とエレガントなまでに美しい。

ぼくは、この『「ホットペッパー」の勝つシナリオ』を見たとき、思った。
「ぼくも、こんなエレガントなシナリオを描いてみたいものだ」

もちろん、シナリオが美しいだけでは不十分である。それは、そのシナリオを実現するために行動しなければならないからだ。
その行動段階に組み込まれた仕組みが「高度なパターン化・システム化」である。

「ホットペッパー」は、組織構成として1,500名によって構成されているそうだが、その85%は非正社員だという。
また、創刊当初から、業務委託と契約社員(3年の契約社員)とアルバイトによって創られたという。

非正社員がほとんどの組織で、十分なトレーニングに基づくスキルを要する仕事をこなす、ということは非常に難しい。

にもかかわらず、そのような組織であった「ホットペッパー」がなぜ、ハイスピードの拡大を達成できたのか。

その答えのひとつが
「高度なパターン化・システム化」だ。

『後の営業戦略の中核となる「コア商圏・飲食・居酒屋・1/9・3回連続受注・20件訪問・インデックス営業」というコンセプトが生まれ、それを「念仏」と呼んだ。

「人通りが多く飲食店が集積する中心地を営業活動のコア商圏として設定し、飲食店のなかでも居酒屋にフォーカスして訪問する。情報量を確保できる1/9スペースを3ヵ月連続=3回連続セットで受注する。そのために一日20件を必ず営業訪問する」

一人ひとりがその念仏を唱え、自分の行動がその行動基準から外れていないかを毎日のなかで確認できる、それが「念仏」だった。
成功のコンセプトを日々の具体的な行動に落とし込むことが、もっとも大切なことだ。』

まずは、行動プロセスのパターン化・システム化である。
この「念仏」もまた、シナリオと同様に美しい。

非正社員であれ、この「念仏」を唱えているだけで、自分の行動がシステムに沿っているのか、そうでないのかを判断できるからだ。
「念仏」そのものも、非常にシンプルに営業戦略がまとめられており、非正社員が迅速に戦力化され、ハイスピードの拡大を達成できた背景が見える。

この「高度なパターン化・システム化」は、営業戦略のみならず、よりミクロの営業現場での対処でさえ、徹底されている。

実はニーズは多様化していない。
『ホットペッパー』でも当初、顧客ニーズが多様化しているのに、それを型にはめるのは危険だという反対意見が出た。
型にはめることは個人の個性や成長を阻害するという反対意見も出た。
しかし、顧客ニーズを整理して絞り込むと、
団体をとりたい
回転率をあげたい
客層を変えたい
顧客単価をあげたい

せいぜいそんなものだった。

それら各々の課題を解決できた原稿パターンやクーポン内容パターン、それらの課題を解決できる商品設計や流通設計やプロモーション計画をまとめたツールパターンを用意した。
そのツールパターンを使った5分間の営業トークの完全シナリオをつくり、それを新規営業の「型」として完全に暗記して繰り返し、繰り返し徹底的に訓練した』

最初に顧客ニーズの分析によって、ニーズが多様化しておらず、実際には、『団体をとりたい・回転率をあげたい・客層を変えたい・顧客単価をあげたい』というニーズくらいであることを明らかにした。

次に、それぞれの課題に対応するアプローチをパターン化し、ツールパターンを用意。それらを「型」としてトレーニングする。

このような仕組みがあるからこそ、非正社員をインスタントに戦力化することが可能になるのである。

思わずうなってしまう。

最後の「組織運営」については、今のところ興味があまりないので、本書を読んでいただくとして、『フラット、業績把握、モチベーションを高める仕組み、評価システム』とスキのないつくりとなっている。

ぼくは本書を読み終えたとき、思った。

「ホットペッパー」が4年で売上約300億円、営業利益約100億円の事業となり、近年では500億円規模となったことは決して「ミラクル」ではないのだ、と。

思わず、美しいと言ってしまうほどの「研ぎ澄まされたシナリオ・ビジョン・ルート」と「高度なパターン化・システム化」、「高い組織運営能力」があるからこそ、そうなったのだ。

つまり、合理的に築き上げられたものであり、「なるべくしてなった」のだ。

ぼくは、別にこの読書感想文を書くことにお金をもらってはいない。

だが、ビジネスに関わる人であれば、本書に1,575円分以上の価値を見出すことは間違いないと思っている。

だからこそ、ぼくは1,575円の本書を押し売りしよう。

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アメリカ新上流階級 ボボズ―ニューリッチたちの優雅な生き方 デイビッド ブルックス (著) #94

5月 10th, 2009 by blogown

BOBOSとは、Bourgeois(ブルジョワ)とBohemians(ボヘミアン)を短くした造語だ。

かつて、ブルジョワジーは既存のエスタブリッシュメントとして、自らがそうである、ということを表象するべく、明白な象徴を用いて、それを実現させてきた。

それは、いわゆる上流階級のそれで、たとえば、アイビーリーグ、WASP、社交界、マナーといった貴族的な要素だ。

しかし、時代が流れ、それらの「表象」が時代遅れになってきたそうだ。
それは、本書にはこう表れている。かつてのエリートが好む言葉はこう。

繊細な、華奢な、お上品な、気品のある、豪華な、贅沢な、エレガントな、素晴らしい、堂々とした、壮大な、法外な

それが時代が流れ、現代のエリートが好む言葉はこうだ。

本物の、自然な、暖かな、ひなびた、シンプルな、正直な、オーガニックな、気楽な、職人的な、ユニークな、分別のある、誠意のある

これらは、結局は、新エリートたちが旧エリートたちに対して、「彼ら」とは違うのだと示すことにより、自分たちの存在を際出させるための行為にすぎない。

それは、相続によって継承されていく、安定的な階層としてのブルジョワジーではなく、自らの能力によって地位を獲得する変動的な階層、メリトクラシーに基づいて獲得しえた結果としてのブルジョワジーであることの表示であるとも見ることができる。

要は、みんな認められたいんだ。

ボボズが、最高級のトレッキングシューズを履いて、ダブルトール・ラテを買って、高級SUVに乗り込み、オーガニック食品を買いに走らせていくのは、結局は自分がエリートなんだと認められたいからに他ならない。

この本は、ボボズがどのような存在なのか、ボボズの消費行動、ライフスタイル、精神面、社会における存在など、さまざまな観点から分析している。

人は社会的な生き物だ。
みんな、他者からの承認に飢えている。
たとえ、時代が変わっても、表象が異なっても、エリート層が新しくなったとしても。

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※1:ワスプ(WASP)は、ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント
※2:メリトクラシー・メリットクラシー〈meritocracy〉
業績主義・能力主義。能力や努力の結果としての業績(メリット)を基準にして、社会的地位が決定する考え方。またそうした考え方が基盤となる社会。近代社会の構成原理の一つであり、現代の日本にも当てはまる。イギリスの社会学者ヤングによる造語。対立する概念として、アリストクラシー(貴族主義)がある。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EA%A5%C8%A5%AF%A5%E9%A5%B7%A1%BC
http://en.wikipedia.org/wiki/Meritocracy

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住宅市場の社会経済学 ピエール・ブルデュー(著) #89

4月 27th, 2009 by blogown

著書『ディスタンクシオン』で有名なフランスの社会学者である著者、ピエール・ブルデューが、生活の基盤であり、最も高価で象徴的な買い物でもある「家」の信頼と価値は何に由来し、買い手はいかに購入を決定するのか、住宅市場の現場に働く重層的なメカニズムを徹底分析、人間社会における経済行為の原理を解明したのが本書。

物事を説明する上で、難しいことのひとつは、「あいまいではあるが、よく知られている事実に対して、明快かつ論理的に説明する」ということだ。

よく「そんなことは知っている」という発言を聞くが、では、実際に明快な論理性を持って、事物を説明できるかというと、なかなか難しいものだ。つまり、それを「知っている」「よく知られている」としても、実際にその事象がどのようなものなのかを説明することはできない、というわけである。

それは、事象の言語化が難しいということが要因に挙げられるが、本書の著者、ピエール・ブルデューは、この点、事象の言語化が極めて卓越していることが示されている。

住居に関する経済的選択-購入か賃貸か、購入するとしたら中古か新築か、新築の場合、伝統的タイプの家か工業生産化された家かなど-は、一方では行為者の嗜好など(社会的に構築された)経済的性向と行為者が投入できる財力に依存し、他方では住宅の供給状態に依存する。

つまり、行為者(要は、一般市民である)が住居に関する選択をする上では、行為者自身の嗜好、投入できる財力、住宅の供給状態によって左右されてしまうという事実を述べている。

この文章に書かれていることは、僕にとっては、ある意味、衝撃的であった。なぜなら、ほとんどの行為者は、自分が自由意思の元に、選択をして、人生を決めているように感じている。つまり、自分の人生を生きているというわけである。

しかしながら、現実としては、各々のファクター、嗜好、財力、供給状態といったものによって、選択は左右され、一見して自由意思のように見られる人生の選択でさえ、その実、合理的な環境設定において決定されうるということであるのだ。

また、本書の大テーマである「住宅」について考えてみると、単純に「家」と言っても、それにはさまざまな要素、下記に述べられているように、象徴的な要素であったり、社会集団的な要素だったりが、複数絡み合って構成されている存在なのだということを知った。

住宅生産にまつわる多くの特徴、そして住宅メーカー間に形成される多くの関係は、象徴的要素がとりわけ大きな部分を占める住宅生産の特性に由来する。(衣服のように)皆の目にさらされ、しかもそれが長期間続くような有形財としての住宅を所有することは、他の財よりも決定的に、所有者の社会的地位やいわゆる「富」のみならず、所有者の嗜好や所有者が自らの領有行為のうちに組み込んでいる分類システムをも表現し、露わにする。この分類システムは可視的な財に客体化されており、他の人々にも象徴的領有を行う余地を与えている。

また、「家」という存在と「家族」という存在は、密接不可分の関係であるようなのだ。

ある文化的伝統、とくに農民や貴族のそれにおいては、「家」という言葉は、物質的な居住空間と、過去・現在・未来においてそこに暮らす家族との両方を不可分に指し示すことが知られている。

こんにちにおいても、「家を建てる」計画は、「家庭を築く」(あるいは家族を増やす)計画、家族成員という意味での家を築く計画、つまり居住を共にするつながりによってますます強くなるような、姻族関係・親族関係によって統合された社会集団の創設とほとんどつねに結びつけられている。

家族という単位の構築や解体(とくに離婚件数の増加や異世代同居の減少)に関する伝統の変容は、多少とも直接的に住居に関連する戦略、とくに賃借か持ち家取得かという選択に影響を及ぼす性格をもつことになる。

社会に関して、非常に有益な分析・見識が得られた。
さすがにピエール・ブルデューの本だけはある。

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「ビジネスモデル・ビジネスについての再考/営業力の強化」に直結する書籍シリーズ

4月 7th, 2009 by blogown

【ビジネスモデル・ビジネスについての再考に直結する書籍シリーズ】

【営業力の強化に直結する書籍シリーズ】

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できる大人の“一筆添える”技術 むらかみ かずこ (著) #83

3月 18th, 2009 by blogown

小冊子の総合サポートカンパニーを経営し、1年間に約1000枚のハガキ、約200枚もの一筆箋を書いている著者、むらかみかずこ氏が、コミュニケーションをより円滑にするためのアプローチとして、一筆箋、ハガキを代表として「ひと手間かける」ことについて書かれたのが本書。

本書のテーマを一言で述べると「一筆添える」こと。

本書全体を通してみると、一筆箋についての章、ハガキについての章、記念切手についての章、筆記具についての章、書き方についての章など、細かいポイントまで説明しているが、せんじつめて言うと、「一筆添えることが重要である」という主張となる。

率直に言って、本書を読むことで、僕自身のこれからのツールのひとつに「一筆箋」が加わった。

誰かに資料や何かの書類などを送付するとき、「これだけ送ってしまうと失礼かな・・・」と感じていた。
そこで、これまでは、白紙に色々と書いて、メッセージを添えて送るということをしてきた。

もちろん、これで満足、十分であると感じていたわけではないので、あいまいな不満感を抱き続けてきたということになる。
たしかに、「ひと手間かける」ことが重要であると感じてはいたからこそ、メッセージを添えていたのではあるが、かといって、「よろしい」と自分で納得できる状態でもなかったというわけだ。

そういう状況下で、僕は本書を読んだ。

すると、世の中には、「一筆箋」という短冊型の細長い便箋があるというではないか。書くスペースも6-10行と適切に短いレベルだし、これまで送ってきた白い紙やメモ用紙とは違って、さまざまな種類があって、凝っているそうだと知った。

そして、読了後、タイミングよく、文具店を通ることがあったので、店内を覗いてみた。

すると、十数種類の一筆箋が置かれているではないか。これまで、文具店に入ったことはあったものの、そこの棚を見ているけれども、見ていなかった、認識していなかったというわけだ。「置いてあるものなんだなー」

正直に言って、ほとんどの一筆箋が女性向けのデザインであったので選びづらかったが、それでも2種類くらい、本当にシンプルなものを買った。これからは、これらの一筆箋を添えていこうと思う。

つまり、僕は本書を読むことで、これまで存在していて、メリットを持っていた一筆箋という存在について、強く認識できたというわけだ。

これで少なくとも、受け取った人が「竹内のヤツ、汚い字で、手ー抜きやがって」と思われることもなくなるような気がする。

追記:

ここで、改めて謝罪したいと思います。
これまで、竹内から文書を受け取ったことのある関係者の方へ。

私は、未熟さゆえに、単なる白い紙やメモ用紙、果てはポストイットに文字を書き、送ってしまったこともあったかと思います。
これからは、きちんとしたシンプルで上品な一筆箋に文字を書き、送らせていただきます。
すみません。

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お客の心をぎゅっとつかむ! 小冊子作成講座 あらがみ かずこ (著) #74

2月 21st, 2009 by admin


小冊子作成の第一人者として、過去3年間でのべ100社近くの中小企業の小冊子を作成代行を行った、日本唯一の小冊子の総合サポートカンパニー「はなまる企画」代表の著者、あらがみ かずこ氏が、小冊子の効果から、作成・活用方法、活用事例を紹介した「世界初の小冊子作成本」が本書。

感覚的には、売上を上げる小冊子作成マニュアルというような内容。

ビジネスのマーケティングにおける小冊子の位置づけは、マーケティング・ツールである。

最初のステップとして、小冊子を配布・提供することで、好意や興味・関心を持ってもらったり、商品・サービスの詳細について知ってもらうという効果を得る。その後のステップで、自社の売りたい商品・サービスを販売するというやり方だ。

個人的に、セールスプロセスにいくらかの時間を費やす価値のある高額商品を手掛ける場合は、小冊子を使っていきたいと感じる自分にとっては、マニュアルのように手取り足取り教えてもらえるのはありがたい。

個人的に、参考になったのは、以下の小冊子が特に効果的な場合についての記述。

Q.2 小冊子が特に効果的なのはどんな業種?
一般に高額商品や、購入すると決めるまでにたくさん悩まなければ決断できない商品・サービスのほうが、その効果は高いと思われます。

たとえば、一生のうちに数度しか購入しないようなもの、買い慣れていないため商品やサービスの判断基準がよくわからないもの、いろいろな会社があってどこの会社から買えばいいか迷ってしまうもの、ローンを組んで買うのでいつも以上に慎重に決めたいと思うもの・・・。私は、これらの商品・サービスをお客様に購入していただくために、小冊子は必需品であると考えます。

●特に効果が出やすいと思われる業種の例:住宅関連業(新築・リフォーム・不動産売買)・各種コンサルティング業、士業、開業医、冠婚葬祭業、健康関連業、教育業など

これらの記述は、マーケティング・ツールとしての小冊子を活用する際の判断材料になる。
つまりは、これらの基準に該当する商材を扱っているのであれば、小冊子は効果的な可能性が高いという意味でもあるからだ。

高額商品、あまり購入しないような商品、慎重に検討する必要のある商品など、色々なケースがある。
これらのビジネスに関わる場合は、小冊子の活用を検討してみたい。

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