サプライチェーンの経営学 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 (著) #126

1月 31st, 2010 by blogown


『サプライチェーンの経営学』の第2章「ザラ:スペイン版トヨタ生産方式」を読んで。

ザラ(ZARA)は、街角でも見かけ、知名度もそれなりに高いが、ビジネスの内部については、あまり公になっていない。秘密主義的なスタンスだかららしい。

そんななかでも、本書には、ベールに包まれたザラの一端を垣間見ることができると同時に、書かれている部分は、ビジネスを考える上で、とても興味深いことがたくさん書かれてある。

本書のメインは、ザラのサプライチェーン・プロセスの解明・解説である。
本書によれば、ザラはサプライチェーンの自己強化システムがあり、次の三つの原則のうえに築かれているという。

1.コミュニケーションの輪をつなぐ
2.サプライチェーンに全体に一定のリズムを与える
3.現有資産を活用してサプライチェーンの柔軟性を高める

私が本書を読んだときに、強く感じたことは、ビジネスでは、プロセス全体を通してのコミュニケーションの緊密さが非常に重要なのだということだ。

ザラの場合であれば、顧客と店長、店長とマーケターやデザイナー、デザイナーと生産担当者、バイヤーと下請け会社、倉庫管理者と各店舗の間での情報交換。

つまり、顧客のニーズ・嗜好を敏感に汲み取り、それをデザイナーから、生産担当者などにつなぎ、店頭に並べ、顧客に購入してもらう。

一連のプロセスのスムーズさには、必然的に、それらをつなぐ緊密なコミュニケーションが必要となる。

もし、コミュニケーションが悪ければ、不良在庫になったり、ミスが起こったりする。

それは、ザラのような商品寿命の短いタイプのビジネスにかぎらない。
どのようなビジネスにおいても、ビジネス全体に関与している人同士の密なコミュニケーションはよりうまくビジネスをするうえでは重要なことだろう。

最後に。
創業者・アマンシオ・オルテガ・ガオナのメッセージ「片手は工場に、もう一方の手は顧客に触れていなければならない」は名言である。

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顧客の信頼を勝ちとる18の法則-アドボカシー・マーケティング 山岡 隆志 (著)#118

11月 24th, 2009 by blogown


帯にあったフレーズと同じところが印象的で、考えさせられた。
『欠点もさらけ出せ!正直な会社に人は集まる』

世の中にさまざまな商品・サービスはあれど、本当に完璧なものは、なかなかなくて、欠点が必ずといっていいほどあるわけだ。

もちろん、ある人にとっての欠点は、ある人にとっての魅力であったりするのだが。。。

ここのところについて詳しく述べられているのが、「5 欠点も含め、ありのままを伝える・透明性の法則」の部分。

正直さや誠実さといった信頼のベースに深く関わるのが「透明性」。
透明性のない会社は、たとえば、重大なクレームを隠したり、重大な欠陥を隠したり、デメリットを隠したりするわけだ。
無論、会社としては、良いところだけを見せて、最高の商品であることを示して、大きな売上を上げたいわけだから、比較的、不利益な情報は隠蔽したくなる。

しかし、顧客との関係を考えた場合、信頼という観点から見ると、公開したほうがいい、というのが本論。

たとえば、モスバーガーがその月に使用している「モスの野菜」の産地・生産者情報を店舗の地域ごとに表示しているなどの試みを紹介。
http://www.mos.co.jp/quality/vegetables/farm_info/

また、「EDLP(EveryDay Low Price)」をスローガンにしている「オーケーストア」は、店舗にて「貯蔵リンゴのため、最盛期に比べて、果肉のシャキシャキした食感が少なくなっています」といったカードを棚で表示している。

その「オーケーストア」飯田社長の言葉がまた印象的だ。
例えば昨日買った商品が、今日、特売されていたらどう思いますか。がっかりするでしょう。だから特売もやめました。特売がなくなれば、売り上げの波が少なくなり、予測がしやすくなります。その結果、在庫ロスも減ります

たしかに、デメリット・ネガティブな情報を公開するのには躊躇してしまう。
それは、人によく思われたいから。
しかし、正直に、はっきりとできるかぎりの情報を公開するということが、信頼につながり、最終的には収益につながってくるのだろう。

欠点やデメリットでも、相手(顧客)のことを本当に思うのであれば、判断材料として提供すべきだと思った一冊。

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こころを動かすマーケティング 魚谷 雅彦 (著) #113

11月 3rd, 2009 by blogown


偉大なブランドを所有する企業、マーケティング会社のリーダー、それがコカ・コーラ。

そのコカ・コーラのマーケティングとは、どのようなものなのだろうか。

本書を読んで、知った感想を言えば、「実にベーシック、かつ、本質的」だということだ。

つまり、本書で一貫して述べられているマーケティング・エッセンスは、「ターゲットは誰なのか」ということなのだ。

たとえば、セグメンテーションの例で言えば、アメリカのセグメンテーションでは、ジョージアはブルーカラーのドリンクだと認識されていたそうだ。

そのため、アメリカでは、自らがブルーカラーである、という人を強く意識した広告を展開されていたらしい(マッチョ+港湾労働者のような・・・)。

しかし、日本では、ブルーカラー、ホワイトカラーという明確な分け方はないということで、いわゆる「サラリーマン」の男性、中流意識の普通のサラリーマンがターゲットなのだと著者は考えた。

そこで、ターゲットはまさにサラリーマンと呼ぶにふさわしい人たち、その人たちが一番何かを感じられるマーケティングを行おうということになる。

これはまさに、ターゲットは誰なのかを強く意識した結果だ。

また、商品開発では、ターゲットの絞り方は、かなり絞り込まれているそうで、年代、性別、ライフスタイル、職業、時には象徴的なターゲット像を具体的にイメージしてしまうこともあるそうだ。

そのビジネスにおける、ターゲットは誰なのか。
それが重要なのだ。

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世界一わかりやすい在庫削減の授業 若井 吉樹 (著)#112

10月 30th, 2009 by blogown

在庫削減は、一見すると、そこまで重要なテーマではないように思える。
しかし、会社経営から見ると、地味ではあるが、重要なのだ。

本書曰く『リスクやデメリットを最小限に抑えながら、売上の拡大とともに「利益の拡大」を実現する方法』こそが在庫削減であると言う。

たしかに、在庫が多すぎると、せっかくの資金をムダに遊ばせて殺してしまうことになり、また、保管スペースなどの維持コストも馬鹿にならない。

かといって、在庫が少なすぎると、品切れを起こしてしまい、販売機会を失うと同時に、会社への期待感も落ちてしまうという弊害がある。

そのような背景があるために、「言うは易し、行なうは難し」で、たしかに在庫状況のベストな状況は「品切れを起こさずにより少ない在庫を維持すること」であるのはわかるのであるが、実際に実行するのは至難の業だと感じる。

本書では、この問題に対して、ステップバイステップの手順を踏んだかたちで、在庫削減に取り組めるようなかたちで解決策を提示している。

設定上は、在庫に悩む貝杉社長に”在庫削減の達人”の「先生」が教えるというもの。

感じたところを言えば、思い込み、直感で判断していたものを科学的・合理的なやり方に変えるということが在庫管理においては重要なのであると示しているところが印象的かつ、重要な部分なのだということだ。

たとえば、「どの量になったら、どれだけの量を買うか」を科学的に導き出す方法では、2つの条件(注文するタイミングが定期か不定期か・注文する量は定量か不定量か)で分類。

その後、分岐によって判断することになる。

例:
●毎日注文
・毎日予測方式
●数日から数週間
・週一回予測方式
・ボーダーライン方式
などなど・・・・・・

加えて、「だいたいこれくらい・・・」といった憶測、勘ではなく、注文数もきちんと科学的に決定することについても述べられている。

総じて言えば、前述のように、イメージで直感で行っていたあいまいな在庫管理プロセスを、より科学的・合理的にした方法論が本書なのだ。

在庫管理に関係する人にとっては、非常に有益だと感じる。

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面白いことをとことんやれば、「起業」は必ずうまくいく。 フレッシュネスバーガー社長の現場的発想法 栗原 幹雄 (著) #98

6月 2nd, 2009 by blogown

〈ほっかほっか亭〉の創業者の一人でありながら、「面白いことをやりたくて」退社、たった一人で〈フレッシュネスバーガー〉を創業した著者、栗原幹雄氏が自身の独創的な仕事術について語ったのが本書。

最初、この本を手に取ったのは、フレッシュネスバーガーの創業記が読めそうだと思ったからだ。

フレッシュネスバーガーについては、店で食べたことがあるということ、ファストフード業界では、マクドナルドというよりも、モスバーガーに近い印象があるということぐらいしか知らなかった。

なんとなく思い出したことといえば、羽田空港の出発ターミナルの地下にもフレッシュネスバーガーの店舗があって、何度か食べたな、ということだった。

まず、著者でフレッシュネスバーガーの創業者、栗原幹雄氏のプロフィールを見て、驚いた。

義兄とともに「ほっかほっか亭」の創業に参画、4年で1,000店を突破し、大企業に育て上げた経験を持っていたからだ。つまり、フレッシュネスバーガーは、「ほっかほっか亭」の創業メンバーが立ち上げたものだったというわけだ。

そう。
この本は、単純にゼロから、ハンバーガー屋を作った話ではない。

「ゼロから超巨大チェーンをつくりあげた経験を持つ人物が、ハンバーガー屋をつくるとどうなるか」が書かれている本なのだ。

まったくハンバーガーについて知らない状態から、渋谷区の高級住宅街の一角にあった木造平屋建ての小屋と出会い、ハンバーガー屋を開くことを決める。

基本構想、店舗イメージ、メニューなどを一晩のうちに決め、内装、外装、厨房と常識にこだわらない設計にした。過去に観た映画のワンシーンや、アメリカで視察してきたカフェなどの記憶がよみがえってきて、『「この店は、仕事じゃない。オレの作品だ!」』と割り切る。

その一方で、『飲食店の経営とは結局のところ、「客単価×客数」で決まる』のだとビジネス的な視点で見ることも忘れていない。

ある面では素人、しかし、ある面では、プロ。
そんな栗原幹雄氏のフレッシュネスバーガー創業記。

片手には夢を、そして、もう片手には、ビジネス的にチェーン展開を見据えた規模拡大を。
最初の段階から、チェーン展開を見据えた思考からは、ビジネスを大きくしていくことのヒントが見つかりそうだ。

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「社長」になりたい君へ―起業家を志す人への応援歌 西川 清 (著) #85

4月 2nd, 2009 by blogown

時間貸し駐車場「タイムズ」で有名な東証1部上場企業で駐車場運営・管理の最大手のパーク24株式会社・創業者である著者西川清氏が、自身のサラリーマン時代のエピソード、起業家としてのエピソード、経営法やビジネス成功のノウハウについて語ったのが本書。

本書は、西川清氏の人生や思い、ノウハウ、行動原理がつまっており、非常に興味深かった。
個人的に、特に印象的だったのは、4点。

ビジネスは創造力と企画力が勝負である。
創造力と企画力がない社員は出世しない。
創造力と企画力がない経営者は、経営者として失格である。

創造力と企画力。
ビジネスは、誰かに「こういうことをしろ」と言われるわけではない。
自分で、勝手に、誰に言われたわけでもないことをしなければならない。

そのため、必然的に、創造力と企画力が必要とされるわけだ。
実際に、このように言葉で見ると、必要性がひしひしと伝わり、何かを生み出さねばならないと感じてくる。

会社を大きくしたいという意識もあり、常に危機感を持って経営している。
それでも会社を大きくできない経営者がいる。

これは前述したように、市場性を見極める能力がないからである。
扱っている市場性、マーケットの大きさ、公共性や社会性があるかないかといった要素により、大きな展開ができるかどうかの差が生じるのだ。

常に市場性を見極めながら会社を経営していかないと、力を伸ばすことはできない。
しかし、会社を設立した当初からこういったことが全て分かるかといえば、そんなことはない。
わたし自身、最初からこのようなことが、全て分かっていたわけではない。

これもまた、非常に有益なことを学んだ。
ビジネスの規模、会社を大きくするために重要なことのひとつが、市場性だというわけだ。
扱っている商品の市場性、マーケットの大きさ、公共性や社会性が重要な要素となり、大きさを左右するという。

たしかに、経営者個人の能力が格段に違うわけではないのに、事業規模の大きな会社と小さな会社があるが、これらは、種々の要因、特に、商品の市場性が大きな影響を与えているように思えることも多い。

●五つの経営方針
ニシカワ商会を設立した当時から、会社の経営方針としていたことが三つある。近年それに二つを加えた五つをパーク24の経営方針としている。

一. 在庫は持たない
二. 流行性のある商品は扱わない
三. 腐るものはやらない
四. 外部要因に影響されない会社経営をする
五. 政府の方針によって左右されるような経営体制をとらない

資金力のない弱小企業が、在庫を抱えるというのは、爆弾を抱えているのと同じ感覚がある。
同様に、一時的な流行商品や、新鮮さを売り物にする商品に手を出すことも不安定な要素が多い。

何かビジネスをする際には、とても参考になる情報。
つまりは、西川清氏のリスクマネジメントである。

在庫を持たない。
これによって、資金の固定を防ぎ、余計なキャッシュアウトを防ぐ。

西川氏の表現「爆弾を抱えているのと同じ」は、特に印象的だ。
流行性のある商品、腐る商品も、同じような意味で、すぐに売れなくなるもの、時間が経つと売れなくなってしまうものであるから、「爆弾を抱えているのと同じ」である。

お金をみすみす失ってしまう可能性が高くなってしまうからだ。
たとえば、不良在庫をたくさん抱えて、倒産してしまうケースは、これらのリスクをとっていたのが原因といえる。

頭の中でアレコレ考えた結果、あきらめていることでも、いざ実行してみると、意外なほど簡単にできてしまうものが、世の中にはたくさんあるはずだ。

人間の能力には、たいした差はない。
アクションを起こせるか起こせないかでその人間の能力が決まる。
行動しない頭デッカチ(専門家)より、行動するバカ(素人)の方がいい。

行動することの重要性。
耳が痛い。

いざ実行してみると、意外なほど簡単にできてしまうことも多い。
行動をすべきである、と。

そのとおりだと思う。
行動しよう。

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4月 13th, 2008 by admin

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