
1月 26th, 2010 by

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「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長・最高経営責任者である、増田宗昭氏が自身の創業記や考えについて述べたのが本書。
本書で印象的だったのは、増田氏のリスク回避の性格(石橋を叩いて渡る性格)についてと、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のコンセプト、企画会社としての思想である。
普通、人は事を起こすにあたって、月にどれだけの売上げがあがるかを前提にする。しかし、私は万一うまくいかなかったらどうするか、売上げゼロだったらどうするか。まず、そのことを考える。売上げゼロでも家賃や人件費は払わなければならない。借金があれば返済しなければならないし、何よりも自分や家族が食っていかなければならない。新規の事業が売上げゼロでも、それだけの手当てができるかどうか。その手当ての方法をまず先に考えるのである。
まず、増田氏の性格として、リスク回避の性格であることが印象的だった。
通常、ドーンと借金して、多店舗展開。
勢いのある性格のように感じられるが、売上げゼロの場合を想定して、手当てする方法を考えた上で行動しているという、かなりのリスク回避性格。
慎重派であり、リスクを減らして色々な行動をとっていく際には、参考になる思考法であるといえよう。
次に印象的だったのは、企業の思想として、CCCは企画会社であるというものだ。
企画会社とは、このような付加価値のあるものを創造していく集団である。誰もが欲しがる新規事業の企画(ソフト)を考え出し、時代が切り拓く新しい市場に対応して、それを事業化する頭脳である。
私は企画会社としての条件には、次の三つのことが必要だと考えている。
第一は、情報の共有化ということである。(中略)各人のところで情報の組み合わせが行なわれることで、何か新しい発見、新しい企画がアウトプットされるかもしれない。これが知的生産ということだ。(中略)第二の条件は、ノウハウの共有化を推進して、個人のプログラムを強化することである。(中略)さて三番目の条件は、インセンティブ(報奨金)システムの導入、すなわち個人をきちんと評価するということである。
TSUTAYAが前面に出ているために、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、どうしてもメディア流通企業のように感じる。
しかし、トップである増田氏の考え方は一貫していて、企画会社である、ということに尽きるという。
つまり、流通・小売のように一見すると見えるのであるが、実際には知識ビジネス、知識集約型のビジネスをしているというわけだ。
たしかに、TSUTAYAをフランチャイズビジネスとして、中央にデータベース+企画を据えた陣容となっている。
このビジネス思想は、一朝一夕ではないだろう。
つまり、創業期からずっと、一貫して、このようなハイレベルなビジネスモデル、ビジネス思想を持っており、そのビジョンを実現させていたということである。
驚嘆する話である。
情報楽園会社 増田 宗昭 (著) #125 You can buy this book on amazon.
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12月 18th, 2009 by

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本書はどのような本かというと、振り込め詐欺の実態に迫った本である。
犯行グループへの取材(大変だー)をしたり、聞き込みをしたりで、120日間かけて取材した結果だそうだ。
自分も同じようなことをしているから、その苦労がわかる。
なんといっても、振り込め詐欺について詳細を語ることができるのは、実行した人なのだから、つまりは、犯罪者なわけだ。
普通の取材とは違って、逮捕されていない犯罪者にインタビューとは、また困難なことだと思う。
そのような困難を通じて見えてくる、振り込め詐欺の舞台裏を垣間見ることができる。
本書を通して、振り込め詐欺を見たとき、感じたのは2点。
1.振り込め詐欺も、結局は、普通のビジネスとほとんど変わらない
2.優秀な人物は、たぶん、何をしても優秀なのだ
1.振り込め詐欺も、結局は、普通のビジネスとほとんど変わらない
”詐欺の男”タカハシは、振り込め詐欺の拠点のことを「店舗」と呼び、加えてこう語ったそうだ。
「だいたい1日にかけるのは、200件とか300件とか。もう普通のテレアポみたいな仕事ですよ。遅刻したら、その日の取り分はなしで。時間厳守で、普通の会社並みに、うるさくやってましたね」
さらに、タカハシは、手書きのA4の紙を取り出した。
それは、詐欺のマニュアルで、だましのテクニックを仲間内で共有していたという。
別のグループ、平成19年9月16日に逮捕された、仲間内から「キング」と呼ばれた戸田雅樹被告の話。
戸田被告の元には、それぞれ数人からなるグループが少なくとも6つあり、それぞれに現場責任者を置いて、まるで会社のような組織を作り上げていた。
構成図も本書には図表として挙げられているが、通称「キング」を中心に、それぞれの現場責任者がリーダーとなり、数名の部下(だまし役)を管理する組織になっている。まさに、企業の営業組織である。
2.優秀な人物は、たぶん、何をしても優秀なのだ
第7章に書かれた、十数の詐欺グループを統括しているという男”顧問”の話。
31歳で、もともと、東京の六大学を卒業し、数年前まで一部上場の一流企業に勤めていたという。
詳細は、長いので、書ききれないが、とにかく頭の切れる人物であることが、読み取れるのだ。
携帯電話やATMの仕組みを熟知した上で、警察の捜査の手の内まで読んで逮捕を免れようとする”顧問”。
完全に犯罪者なのだが、優秀な人物だと思う。
著者も同じように感じたようで、こう書いている。
それだけの頭脳や情熱を、社会の発展に振り向けられなかったのかと思わずにはいられなかった。
社会について、振り込め詐欺について、ビジネスについて、さまざまなことを考えさせられる一冊。
職業”振り込め詐欺” NHKスペシャル職業”詐欺”取材班 (著) #122 You can buy this book on amazon.
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10月 30th, 2009 by

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在庫削減は、一見すると、そこまで重要なテーマではないように思える。
しかし、会社経営から見ると、地味ではあるが、重要なのだ。
本書曰く『リスクやデメリットを最小限に抑えながら、売上の拡大とともに「利益の拡大」を実現する方法』こそが在庫削減であると言う。
たしかに、在庫が多すぎると、せっかくの資金をムダに遊ばせて殺してしまうことになり、また、保管スペースなどの維持コストも馬鹿にならない。
かといって、在庫が少なすぎると、品切れを起こしてしまい、販売機会を失うと同時に、会社への期待感も落ちてしまうという弊害がある。
そのような背景があるために、「言うは易し、行なうは難し」で、たしかに在庫状況のベストな状況は「品切れを起こさずにより少ない在庫を維持すること」であるのはわかるのであるが、実際に実行するのは至難の業だと感じる。
本書では、この問題に対して、ステップバイステップの手順を踏んだかたちで、在庫削減に取り組めるようなかたちで解決策を提示している。
設定上は、在庫に悩む貝杉社長に”在庫削減の達人”の「先生」が教えるというもの。
感じたところを言えば、思い込み、直感で判断していたものを科学的・合理的なやり方に変えるということが在庫管理においては重要なのであると示しているところが印象的かつ、重要な部分なのだということだ。
たとえば、「どの量になったら、どれだけの量を買うか」を科学的に導き出す方法では、2つの条件(注文するタイミングが定期か不定期か・注文する量は定量か不定量か)で分類。
その後、分岐によって判断することになる。
例:
●毎日注文
・毎日予測方式
●数日から数週間
・週一回予測方式
・ボーダーライン方式
などなど・・・・・・
加えて、「だいたいこれくらい・・・」といった憶測、勘ではなく、注文数もきちんと科学的に決定することについても述べられている。
総じて言えば、前述のように、イメージで直感で行っていたあいまいな在庫管理プロセスを、より科学的・合理的にした方法論が本書なのだ。
在庫管理に関係する人にとっては、非常に有益だと感じる。
世界一わかりやすい在庫削減の授業 若井 吉樹 (著)#112 You can buy this book on amazon.
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9月 15th, 2009 by

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本書は、経費削減の本である。
つまり、いかにコストをカットしていくか、ということについて書かれた本だ。
著者は、そのアイデアやテクニックを実践を通して学んでいる。
大手企業との取引を突然解除され、年商の2/3を一度に失い、しかも、ガンに冒され、かつ、通学講座事業という新規事業も赤字に転落する、という状況を乗り越えた経験から学んだのだ。
たしかに、本書は経費削減をテーマに書かれているのかもしれない。
しかし、これは合理的な経営は、どのようなものなのかについて参考になる本でもある。
合理的に経営をするためには、常にコストに目を光らせている必要がある。
何にお金を使っていて、それは合理性のあるものかどうかを確かめ、業務のムダを分析し、削減する。
整理し、合理化する。
不必要なものは排除する。
経費を削減するアイデア・テクニックを学ぶのと同時に、自社の支出を見つめ直すのに有益なチェックともなる。
本書を読み、経費削減で、やれることは色々あると思う。
しかし、一番いいのは削減する前に支出を増やさないように動かしていくことだろう。
中小企業のための経費削減 山田 浩司 (著) #107 You can buy this book on amazon.
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