ザ・プロフィット エイドリアン・J・スライウォツキー (著)#144

7月 5th, 2010 by blogown

本書は、経営コンサルタントのエイドリアン・スライウォツキーが
利益をテーマに、経営戦略などの観点から、ビジネスモデルを見通していったもの。

全体として、ビジネスをやっていく上では、非常に有益なポイントが多いのだが、
今回、個人的に特に参考になったのは、次の点。

・製品ピラミッドのなかで、廉価商品は利益を上げるために存在しない。

製品ピラミッド利益モデルについての解説から。
バービー人形を販売している会社マテルが例にとられて説明されている。

バービー人形は、20ドルとか30ドルで売られている。
他社はこの低価格史上には簡単に参入できる。

そこで必要なのが防火壁(ファイアウォール)だ。
他社の追随を防ぐために、10ドルのバービー人形を売り出して
廉価市場への他社の参入を封じ込める。

ここではほとんど利益は上がらないが、
他社が自社の顧客と関係を結ぶ道を塞ぐことはできる。

ピラミッドの最下層にはファイアウォールとして機能する防衛のための製品が、
そして最上層には強力な利益製造マシーンが配備されている。

このテーマについて端的に表現されているのが、この箇所だ。

そもそもピラミッドとは、低価格帯商品を売ることで、
他社がもっと安い値段で市場シェアを奪う可能性を実質的に断ち切るシステム
なんだ。

「なぜ、製品ライン、製品ピラミッドが存在しているのか」ということの回答。
それは、ライバル・競合他社に、付け入るスキを与えないため。

ビジネスって戦争ですね。

ザ・プロフィット エイドリアン・J・スライウォツキー (著)

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競争戦略論〈1〉マイケル・E. ポーター (著)#143

6月 30th, 2010 by blogown

ハーバード大学の著名な教授、マイケル・ポーターの論文集を書籍にしたものが本書。

「一体、戦略とはなんぞや?」と思いますが、
マイケル・ポーターが端的に述べています。

『競争戦略の本質は差別化である』、『戦略の本質は、活動そのものにある。同じ活動をライバルとは違うやり方で進めたり、競合他社とは違う活動に着手する、それが戦略である』という。

わかりやすい例として挙げられているのが、
フルサービスの航空会社とサウスウエスト航空の対比。

フル・サービスの航空会社:
・ほぼあらゆる発着地間で乗客を輸送する体制
・乗り継ぎできるように、ハブ・アンド・スポーク・システムを採用
・ファーストクラスやビジネスクラスを提供
・スケジュール調整、手荷物引き継ぎ
・機内食を提供

サウスウエスト航空:
・特定のタイプの路線のみ
・発着作業時間がわずか15分なので、少ない機数で運航可能
・機内食、指定席、手荷物引き継ぎ、高級クラス、すべてなし
・機体はボーイング737で標準化

ライバルとは違う活動をするということは、言い換えてみれば、業界の標準のようなモデルがあって、それから、「何をして、何をしないのかを決める」ということだと思う。

たとえば、サウスウエスト航空の場合は、低価格にして、機内食、指定席、手荷物引き継ぎ、高級クラスなどなどをしないと決めたわけだ。

これは、想像以上に難しいことで、それは心理的に大きな壁があるからだ。

ライバルとはいえ、なかなか同じビジネスをしている人たちと違う活動はしづらいもの。
誰だって、人と同じようにしているのが安心な気持ちになるので。

だから、ライバルとは違う活動をして、
しないことを決めて、実際にしないでいることは正しい。
しかし、それを行うのは、また難しい。

けれども、そうしなければ、多くの同業他社と同じで
業界で埋没した存在になり、儲からない会社になってしまう。

ビジネスは簡単ではないですね。

競争戦略論〈1〉マイケル・E. ポーター (著)#143

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ビジネス書名作選をつくりました。

6月 14th, 2010 by blogown

ビジネス書名作選をつくりました。

http://www.poseidonlabs.com/books-masterpiece.html

これまで断片的に色々と感想文を書いてきましたが、

そのなかでも、とりわけ「名作」「名著」「傑作」だと感じたものをピックアップ。

とはいえ、まだ未完成のリストだと思いますが。。。

とりあえず、現時点で、ざっとみたかぎりでリストアップしました。

適宜、追加していくかもです。

ビジネス書名作選

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「ふつうの億万長者」徹底リサーチが明かす お金が“いやでも貯まる”5つの「生活」習慣 トマス J スタンリー (著), 本田 健 (翻訳) #123

12月 23rd, 2009 by blogown


本書のメッセージは、「本物の資産家になるには、質素倹約であれ」。
本書は、蓄財と消費の関係性についての考察がメインである。

浪費を繰り返す人たちは、次のような人だという。

ファッション界や小売業界で言うところの「上昇志向の人」、つまり、金持ちのように見えるけれども、金持ちになりたいと願っているだけの、金持ちではない人

そして、金持ちが金持ちになれる理由。

金持ちが金持ちになったのは、ぜいたくをしたいからではない。そして、金持ちが金持ちになれたのは、ぜいたくをしなかったからだ。

また、極めて興味深い話が、浪費と育った環境についての関係について述べられている部分。

高くないスーツを着ている人は、おそらくミドルクラスの生まれですね。両親は決して金持ちではないけれど、いわば安心して暮らせる収入があったのでしょう。両親の社会的地位や持ち物について、恥ずかしく思うことなく育った人です。

ぜいたくなヘアスタイル、2000万ドルの家、引き出しいっぱいの高級時計、複数のフェラーリ、オーダーメイドの服、2000本のビンテージワイン。これらは成功のシンボルの域を超えている。非常に裕福な人のなかで、ミスターMのような消費パターンをとるタイプの人には、共通する経歴がある。たいていは、経済基盤がほぼゼロに等しい家庭で育っているのだ。ミスターMの父親は、工場の非熟練労働者で年間所得は2万5000ドル以下だった。また、両親とも大学を出ていない。

「浪費する億万長者」には、貧しい境遇から叩き上げてきたケースが多い。

全体として、興味深い話が多いのだが、本書を通読する上で、把握しておかなければならないことがある。

それは、本書における「億万長者」の定義である。

本書では、100万ドル以上の資産を持つ人のことを億万長者と呼ぶ。

つまり、これはストックが大きい(純資産が大きい)人を定義づけしているということになる。
その定義からして、全体的にディフェンシブ(守りが堅い)、堅実、質素・倹約である人が多いこととなり、所得レベルはそれほど大きなファクターではなくなる。

そのため、所得を大きくすること、たとえば、年収XX万円や年収1億円といった方向性とは異なることは把握しておくべきことではある。
要は、稼ぎを多くするのではなく、本当の豊かさを考えましょう、というメッセージであるわけだ。

そのため、キャッシュフローの大きな人、所得の高い人は、本書のメッセージをそのまま、額面どおりに受け取りすぎてもいけないと思う。

たとえば、ディナーに高い金は払わない、というメッセージがあるが、重要な会合がディナーというかたちでセッティングされた場合、ビジネス上、そのディナー代は負担しなければならないこともあるだろうし、また、同様なケースは多々あるだろう。たしかに、当人の消費傾向とは異なっているとしても、だ。

つまり、どこまでこれらの考えを貫けるかどうかという点には、職業的な制約もあれば、置かれた立場、環境といった要因に左右されるということは意識しておくべきだろう。

本書で、最も賞賛されているケースは、端的に言えば、ブルーカラー、もしくは、ブルーカラーに準じるビジネスの経営者で、質素倹約をしていて、資産家である、というケースである。

そのケースからの逸脱度合によって、そうともいえない点があるのだ。

以上のように述べていくと、本書を批判しているように感じられるだろう。
しかし、僕は本書は賞賛されるべき良書だと思う。

それは、本書のメッセージの本質が価値あるものだと思うからだ。
その本書のメッセージの本質は、次のようなことにあると思う。

若者たちは、金を使うことがアメリカらしいやり方だと絶えず教え込まれます。若者のお手本になりやすいのは、巨額の報酬を受け取るプロスポーツ選手や芸能人です。来る日も来る日もマスコミは、あのスポーツ選手が購入した数百万ドルの大邸宅、この映画スターが所有するヨーロッパ車の一群といったストーリーを量産し続けています。そうした影響力のあるロールモデルたちを大々的に扱って賛美することで、マスコミは「車や家やパーティーに好きなだけ金を使えば、幸福になれる」というメッセージを送っています。しかし実際には、金を使うことは人を幸せにはしません。

つまり、「消費は素晴らしい」、「消費こそ最上の幸せである」という現代のドグマに対するアンチテーゼである。
たしかに、周囲を見回してみると、また、メインストリートで見渡してみると、あたりにあるメッセージは「金を使え!!!」「ここで金を落として!!!」というものしかない。

あらゆるマスコミやメディアは、消費を促し、雑誌の広告は素晴らしい写真で、そのブランドの素晴らしさを表現する。
テレビCMでは、流麗なボディをしたスポーツカーが消費をそそる。

しかし、立ち止まって考えてみよう。
本当に、それが幸せにつながるのだろうか

高い収入を稼ぎ、色々なモノに大金を払う。
そうすれば、ぼくらは本当に幸せになれるのだろうか。

そう考えさせる一冊である。

「ふつうの億万長者」徹底リサーチが明かす お金が“いやでも貯まる”5つの「生活」習慣 トマス J スタンリー (著), 本田 健 (翻訳) #123 You can buy this book on amazon.

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