地道力 國分利治 (著) #148

7月 30th, 2010 by blogown

帯にあるフェラーリが印象的な本書は、ヘアサロン・グループ「EARTH」を率いる株式会社アースホールディングス代表取締役、國分利治氏が、工業高校卒で片田舎のヤンキーあがりから、新宿・歌舞伎町の美容院に住み込みでキャリアをスタートさせ、今や年収4億円、年商200億円を稼ぎ出す一大FCチェーンに成長させるまでの経緯を書いたもの。

本書は、帯にある國分利治氏のチャラい雰囲気とは異なって、いたって地道な努力が描かれている。

國分利治氏の目的意識が変わったという経緯があり、歌舞伎町の美容院では、「真面目に」「勤勉に」「休まない派」で努力することになる。

そして、それこそが、國分利治氏自身が述べるように、成功要因であった。そうわかる。

たとえば、本書に書かれている部分で印象的だった部分を書き出してみる。

美容院に入社して、店舗を移籍したときの話。

歌舞伎町店から新しい店舗に移籍してすぐに、その店の売り上げ低迷で喘いでいる理由が分かりました。

客がいない時、スタッフの多くがヘラヘラと遊んでいたのです。酷い時は、ピンポン球でキャッチボールすらしていました。店が暇だというのに、彼らの顔には危機感がまるでないのです。もちろん、休日は当たり前の顔をして休みます。

結局、成績の悪い人、パフォーマンスの低い人は、サボっているというわけだ。
客がいないとき、集客努力をして店に呼ぶというような「真面目に」「勤勉に」動いたりはせず、休日は休日で当たり前のように休む。

だからこそ、売上が低迷し、成績が上がらないのだ。
要は、何もしていないというわけなのだ。

その他にも、印象的な部分がある。

若いスタッフの中には、「どうすれば社長のように成功できますか?」と、ストレートに聞いてくる人もいます。

私は自分の経験から、「休みなしで3年間働いたら成功できるよ」とアドバイスします。

例えば、このアドバイスをそのまま受け入れて、地道に実践できる人が一番成功する可能性があるのです。

この地道さ。
それが彼の成功要因だ。
休みなしで3年間働く。

たしかに、ハードワークだといえよう。
しかし、そのハードワークがあるからこそ、十分な経験が蓄積でき、能力も高まり、人より成果をあげることができるのだ。

國分利治氏の地道さは、会社で行っている行動の部分でもそれがあらわれている。

サービスの原点は掃除
不況による客足の低下を受けて、私がオーナーを通じて各店の店長に指示したことは、「店の掃除」でした。というよりも、今は「掃除をしろ」としか言わなくていいとすら思っています。

私は、サービス業の原点は掃除だと考えています。(中略)

掃除のスタートは入り口、玄関からです。中からキレイにしていくのではなく、お客様を迎え入れる表からキレイにしていくことが掃除の基本です。それも、自分の店の前だけキレイにするのではなく、「店の前の道の、1キロ圏内をキレイにするつもりでやれ」と指示しています。

店の掃除。
単に自分の店の前だけキレイにするのではなく、「店の前の道の、1キロ圏内をキレイにするつもりでやれ」というほど、徹底したもの。

徹底的に「真面目に」「勤勉に」仕事をすること。
それこそが、本質的に重要な部分なのだと改めて気付かされる。
良書。

他にも参考になる部分を引用。

「どうしたらお金持ちになれますか?」という質問を受けることがよくあります。(中略)

「人に好かれれば、お金は寄ってきますよ。協力者の数は年収に比例します」と。そしてこう続けます。

「年収1000万円の人には、協力者が10人。年収1億円の人には協力者が100人、年収10億円の人には協力者が1000人いる。協力者の年収は、少なくとも1000万円以上、理想を言えば、年収1億円以上の協力者が増えていくといいですね。だいたい、そんなイメージです」

本書からは、地道ということの重要さもさることながら、「人を使う」ということの難しさについても考えさせられる。

地道力 國分利治 (著) #148

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夢は、「働きがいのある会社」を創ること。ポール オーファラ (著), アン マーシュ (著)#147

7月 22nd, 2010 by blogown

コピーをメインとしたビジネスソリューション業務を行う
「キンコーズ」の創業者、ポール・オーファラの自伝が本書。

ポール・オーファラは、難読症(ディスレクシア)で
多動症(ADHD)で苦労した経験の持ち主。

そのために、誰か他の人の助けを必要とする人生を歩んできた。

それゆえにポール・オーファラが身に付けた
素晴らしい能力が「人に任せる能力」である。

本書には、その「人に任せる能力」について、
さまざまなエッセンスが詰め込まれている。

「自分で読み書きできないなら、
読み書きのうまい人に助けてもらえばいい」

たとえば、ビジネスの初期にポール・オーファラは、
『ビジネスに「追われる」のではなく、ビジネスを「追う」ことを心に誓った』という。

実際、キンコーズ1号店をオープンしたとき、
開店直後は一週間ずっと店に出たが、
それ以降は、週に二日しか出ていない。

だから、キンコーズを手伝ってくれるスタッフを雇い、運営を任せたのだ。

このため、彼は単調な作業の苦しみから解放されたとのこと。

数年後には、店が数か所に増えたが、
「業務」には一切関わらないことを決心したそうだ。

長年、ポール・オーファラが実践してきた
ビジネスを「追う」方法のひとつが、オフィスを離れることだ。

彼は、仕事にサイクルを設け、三週間ほど出張したら
次の三週間は本部オフィスに戻ることを繰り返したそう。

出張に出ると、全米各地に広がる地域ごとのキンコーズ・ネットワークの
さまざまな店に足を運び、同時に、できるかぎり多くのライバル店にも足を運んだ。

それは、ライバル店の工夫を探り出すためだ。

人に任せること。
それは、重要だが、心理的に難しい行為である。

夢は、「働きがいのある会社」を創ること。ポール オーファラ (著), アン マーシュ (著)#147

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小さな飲食店 成功のバイブル―赤字会社から年商20億円企業までの軌跡 鬼頭 宏昌 (著) #146

7月 15th, 2010 by blogown

スモールビジネス紹介センター代表取締役。元「旗篭家」オーナー。大学中退後、22歳で父親の経営する飲食店に入社。25歳で経営を託され、6年で同社を赤字状態から20店舗・年商20億円の外食チェーンに育て上げ、優良企業のうちに事業売却。

その後、FUTURE CONNECT株式会社(現・株式会社スモールビジネス紹介センター)を設立し、代表に就任。執筆やコンサルティングを手がける。

現在は「横浜桜木町日の出らーめん」「やきとん大黒(大国)」「宅配とんかつ専門店ぶたみち」のフランチャイズ展開に尽力中という著者、鬼頭宏昌氏が、店舗のデザイン、繁盛店作りの法則、経営の原理原則、成功軌道に乗るための方法等、大きな利益をもたらした、本物のノウハウを厳選して掲載したものが本書。

本書の特徴をまとめると、「飲食ビジネスの構造が、客観的に分析されている」。

著者の鬼頭宏昌氏は、非常に分析的な思考をされる方のように感じます。

それは、「儲かる」という言葉の数字的根拠が「投資収益率(ROI)」にあるのだと断言していることからもうかがえます。

飲食ビジネスでの成功パターンは、「1店舗ごとの採算性を確保した上で、1店舗の年商を1億円と仮定して30店舗を出店したから30億円の企業になる」というものです。

つまり、店舗として収益の上がる業態を開発し、適切な立地を見つけ、店舗開発を継続してし続けることにあるというわけです。

また、本書では、非常に実践的で有益な内容が書かれているのですが、特に印象的だったのは、個人店経営が大手に勝つ方法です。

鬼頭宏昌氏の持論だそうですが、個人店経営の場合、人件費は基本的に自分たちの給与が中心となり、FLコスト(食材費と人件費のコスト)の配分はチェーン店に比べてはるかに自由度が高くなる

だからこそ、個人店経営で初期投資を大きく抑えて出店した際は、思い切って原価率をかけることが勧められる。

資本力ある大手がお金をかけて立派な店をつくり、熟練した店長や店員を配置した大型飲食店をつくったとすれば、同じコスト構造で戦うのは無理。

であれば、料理のコストパフォーマンスで勝負するのが王道とのこと。

ケースとして、鬼頭宏昌氏の知人がレストラン経営をしていて、客単価4000円で原価率30%のメニューを、客単価8000円で原価率50%のメニューに変更して大成功した人がいるとのこと。

つまり、食料原価を高め、「おいしい」「高質な」料理を提供することで、顧客満足度を高めるというわけです。

単純に大手企業が攻めているからといって、戦えないわけではない。

たしかに、真っ向勝負を仕掛ければ、大敗を喫してしまうだろう。

しかし、コスト面での強みを生かしたり、自由度を効かせることで、大手企業にはできないことをする。

そうすることで、個人店でも勝てる。

色々な戦略のバリエーションを考えさせられます。

良書。

小さな飲食店 成功のバイブル―赤字会社から年商20億円企業までの軌跡 鬼頭 宏昌 (著) #146

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小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略 竹田 陽一 (著), 栢野 克己 (著) #145

7月 10th, 2010 by blogown

本書は、中小企業コンサルタントの竹田陽一氏と零細企業コンサルタントの栢野克己氏が、
豊富な経験をもとに、実戦に即したかたちで、
中小企業が成功するための戦略とマーケティング、営業のノウハウを披露したもの。

10万部を超えるベストセラーの一冊。

あまりに良書なので、この読書感想文に書いた気になってましたが、
意外なことにまだ書いてなかったことに気づき、書きました。

僕自身は、著者のお二人、
竹田陽一氏と栢野克己氏は知り合いです。

そのため、どうしても公平な判断がしづらいとは思いますが、
そういう偏見、バイアス込みで、本書は本当に素晴らしい。

だからこそ、ビジネス書で、経営系の書籍で
10万部という常識外れの大ベストセラーなのだと思う。

本書を端的に述べると、
「深い」、そして、「わかりやすい」。

まず、ランチェスター戦略というかたちで、
経営において重要な部分をそれぞれ解説。

・商品戦略
・エリア戦略
・客層戦略
・営業戦略
・顧客戦略
・時間戦略

これらのフレームワークは、
大枠として、経営をどのようにしていけばいいのかを理論面で解説。

どのように行動すべきか、
深い洞察が得られる内容だと感じる。

加えて、本書が「わかりやすい」ものになり、
非常に読みやすく、気づきが得られるものとなっている要因が本書を甘く包み込む。

それが豊富な事例である。

たとえば、「エリア戦略成功例1 保険営業の場合」

小さな島でもコツコツ回ればエリアナンバーワンに

九州一のセールスレディは長崎の島、平戸というところの森聖美子さん。

20年連続!で九州でほぼ一位とのこと。

平戸は人口が2万人くらいしかない島にもかかわらず。

最初は泣かず飛ばずだったそうですが、
左遷された上司が戦略のある人で、
「あなたはこの島を一軒ずつ回りなさい」と指導。

その結果、森さんの独り占めで、
ナンバーワンになったとのこと。

このようなかたちで、示唆に富む事例が
各章にいくつも挟み込まれ、アイデアが刺激されます。

自分のビジネスでは、
どのように応用できるのか。

そう考えながら読むだけで、
色々なアイデアがうまれてくること請け合い。

個人的に、そう何度も読み返す本は、
想像以上に少ないのですが、
そのなかでも、本書は、何度も読み返す、数少ない本の一冊。

名著。

ただ、一点。

著者の栢野克己氏も話していたことではあるのですが、
本書の事例のなかで紹介された会社のなかには、
民事再生法が適用されたり、倒産したりという会社もあることも事実。

しかし、どんなに戦略に沿った経営をしている会社でも、
時代の流れで商品が売れなくなったり、
新規事業で大コケしたりもするので、
どうしてもうまくいかなくなる会社も出てくるだろうと思います。

そういう点も加味しつつ、
総じて名著だと感じます。

何度も読み返すことになる一冊。

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略 竹田 陽一 (著), 栢野 克己 (著) #145

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