プロフェッショナルの条件 P・F. ドラッカー (著),上田 惇生 (著) #109

9月 24th, 2009 by blogown


知識労働者にとって、時間という資源は最も貴重なものである。
そのことをドラッカーは芸術的に表現する。

『成果をあげるものは、時間が制約要因であることを知っている。
あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは、もっとも欠乏した資源である。

それが時間である。

時間は、借りたり、雇ったり、買ったりすることはできない。
その供給は硬直的である。
需要が大きくとも、供給は増加しない。
価格もない。
限界効用曲線もない。
簡単に消滅する。
蓄積もできない。
永久に過ぎ去り、決して戻らない。
したがって、時間は常に不足する。
時間は他のもので代替できない。』

時間は代替不可能な資源であり、人生そのものでもある。
あらゆるプロセスにおいて、時間は必要であるし、かかる時間を減らせば、その分、別の事柄をすることができる。実現可能なコトの数・量を増やすためにも、充実した人生のためにも、時間を十分に意識することは重要だ。

ドラッカーの提唱する時間管理のヒントは、時間の使い方を記録した上で、仕事を整理することだ。

『第一に、する必要のまったくない仕事、すなわち、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけ、捨てなければならない。』

『第二に「他の人間でもやれることは何か」を考えなければならない』

『第三に、自らがコントロールし、自らが取り除くことのできる時間浪費の原因を排除しなければならない』

つまり、不要なコトを避け、他の人でもやれることは他人に任せ、それ以外の時間浪費要因をなくすことである。

実に基本的なアプローチではあるが、なかなか意識していたとしても、実行するのは難しい。そこにこそ、時間管理の難しさがあるのだろう。

最後にとても気になったのは、リーダーシップの本質についての記述。

『効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである。
リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を決め、それを維持する者である。
もちろん、妥協することもある。』

リーダーについて、考えさせられる。

プロフェッショナルの条件 P・F. ドラッカー (著),上田 惇生 (著) #109 You can buy this book on amazon.

Posted in お仕事領域, ハーバード・ビジネス・レビュー関連, ビジネス書全般など, ベストセラー, 時間管理, 経営戦略, 自己啓発 | No Comments »| タグ: , , , , , , , , , ,

B型自分の説明書 Jamais Jamais (著) #95

5月 13th, 2009 by blogown

ぼくはB型だ。

この本は、よくある占い本と似たような趣向である。
つまり、誰にでも当てはまるようなことが書かれているわけだ。

基本的には「あるあるー」ネタで構成されていて、自分に当てはまっていれば「あるあるー!」であるし、当てはまってなければ無視されるという、受け手の都合のいい思考回路を以ってウケがいい本である。

チェックボックスがあり、それにチェックを入れていくと、説明書が完成するという、つくりになっているところが、なるほどと思わせる。

と、滔々と述べてきたが、「オセロでは黒を持ちたい」タイプであったり、「地面に寝転がりたくなる」タイプであったりするので、個人的には「あるあるー!!」だ。

素直に面白いと思う。

B型自分の説明書 Jamais Jamais (著) #95 You can buy this book on amazon.

Posted in ベストセラー, 読書感想文 | No Comments »| タグ: , , ,

「婚活」時代 山田 昌弘 (著), 白河 桃子 (著) #68

1月 9th, 2009 by admin

「パラサイト・シングル」「格差社会」で知られる、家族研究を専門としている著者、山田昌弘氏と結婚や恋愛を中心に取材しているジャーナリストである著者、白河桃子氏が共著したのが本書。

目次:amazon.co.jp

1 「婚活」時代の到来
2 結婚したくてもできない!
3 「婚活」前時代vs「婚活」時代
4 彼と彼女が結婚できない理由
5 結婚したいのにできない社会的要因
6 現代日本、「結婚」と「婚活」の実態
7 四十歳からが結婚適齢期?三十五歳からの婚活
8 成功する婚活

タイトルの「婚活」とは、「結婚活動」の略で、よりよい結婚を目指して、合コンや見合い、自分磨きなど、積極的な行動のことを指す。

なぜ、婚活が必要になったのかというと、男女交際に関する規制緩和が起きたことで、自動的に結婚できない時代が到来したため。

本書を読んで、僕が一番興味をひかれたのが、「結婚できない」ロジックだ。

女性パターンA・従来型の結婚の場合
従来型の結婚というのは、男性に経済的に依存した、男性がメインで稼いでほしいということ

1.この場合、女性は、結婚相手に今の自分の二倍の年収を望む
2.しかし、該当者(候補者)は、ほとんどいない(該当者の多くは、既婚者)
3.その結果、条件を満たす男性との出会いはほぼない
4.ゆえに「結婚できない」

女性パターンB・スーパーキャリアウーマンの場合

1.この場合も、自分より仕事のできる男性を望む(要は、仕事と年収)
2.加えて、一方の希少な該当者は、「自分をバックアップしてくれる旧来型の女性を好む」
3.その結果、条件を満たす男性との出会いはほぼない
4.ゆえに「結婚できない」

このようなロジックによって、結婚できないという現象が起こる、と。
環境的な要因を除いた、それらのロジックを引き起こす個々の要因を要約すれば、こうなる。

男性の結婚できない要因は、1.経済力、2.コミュニケーション能力
女性の結婚できない要因は、1.結婚相手に対する要求水準の高さ(つまりは、上記に書いたもの)、2.運

これらの個々の要因やその他の環境的・社会的要因を含めて考えると、最終的には、「豊かさ」がもたらしたものだと感じる。豊かさ、そして、多様性は、社会生活に対しては、ポジティブな影響を与えたかもしれないが、一方で、「結婚」という現象に対しては、ネガティブな影響を与えたと思う。

たとえば、多様性の象徴として見ることのできるスーパーキャリアウーマンは、結婚しなくても生きていくことができてしまう。

数世代前は、女性参政権でさえ問題となり、女性運動が盛んであったことを考えると、その当時には、想像もつかなかった生き方である。しかし、急速な発展は、その生き方を可能にし、「結婚しない」という選択肢を可能にしてしまっている。

これらのストーリーとロジックをたどっていると、現代日本の一面をかいま見ることができる。
日本という社会が変化をしていくにつれて、個々人の生活スタイル、ひいては「結婚」問題にもつながっていくというわけだ。

なんだかんだ言って、僕自身も「婚活」時代の真っ只中にいるわけで、しかも独身なので、ものすごく共感の持てる問題だった。

「婚活」時代。
仕事だけでも、大変なのに、もっと大変な活動が増えた時代になったものだ。
時間がより重要視される資源となることだろう。

68冊目

Posted in ベストセラー | No Comments »| タグ: ,

コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学 ジェラルド・M・ワインバーグ (著) #67

1月 4th, 2009 by admin

1956年頃からIBMにて13年間勤務した後、コンサルティングと教育に携わり、著書・共著は合わせて30冊以上を誇り、数百もの記事を寄稿している、コンピューター業界で広く知られているコンサルタントである著者、ジェラルド・ワインバーグ(ジェリー・ワインバーグ)が、自身の発見について述べたのが本書。

目次 -Amazon.co.jp

第1章 コンサルタント業はなぜ大変か
第2章 逆説的思考育成法
第3章 わからないことをしているときでも有効であるの法
第4章 そこにあるものを見るの法
第5章 そこにないものを見るの法
第6章 わなから逃れるの法
第7章 インパクトをふくらますの法
第8章 変化を飼い慣らすの法
第9章 変化を安全に起こすの法
第10章 抵抗に出会ったら
第11章 サービスの売り出しかた
第12章 自分に値段をつけるの法
第13章 信頼を勝ち得るの法
第14章 アドバイスを人に聞いてもらうの法
参考書およびその他の経験―もっと知りたい人のためのガイド

著者のジェリー・ワインバーグは、言う。

『コンサルタントの仕事とは、私の定義によれば「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」というものである。人々はある種の変化を望む、またはある種の変化を恐れてコンサルタントの何らかの形の手助けを求めるのである。』

たとえば、僕(竹内正浩)は、一応、経営コンサルタントと名乗っているが、ワインバーグの定義に照らしてみると、こうなる。

「専門家(プロフェッショナル)、高度な知識を必要とする知識型ビジネスの経営者[人々]に、業績アップや顧客獲得の要請[彼らの要請]に基づいて、それらを達成する影響を及ぼす」

別に、経営コンサルタントだけがコンサルタントなわけではない。ワインバーグは、こうも言う。

『もし読者が隣人に、芝生のヒメシバをとるには何を使っていますかと聞いたとすれば、読者はコンサルタントを使っていることになるのだ』

つまり、人の日常は、コンサルタントに満ちていて、時には、自分自身が誰かのコンサルタントとなっているというわけだ。

では、この本は、どのような本なのか?

『この本は、影響してくれという要請をめぐる、一見非合理的な行動にひそむ合理性に関しての、私の発見を述べたものである。それがコンサルタントの秘密である。この表題から見て、この本はコンサルタントのための本だという感じを持たれる向きもあるかもしれないが、実はこの本はわれわれのこの非合理的な世界の中で混乱し、それについて何かをしたいと思っているすべての人々のための本なのである。』

と、婉曲的な言い回しで、わかりづらいかもしれないが、要するに、本書の読者層は、かぎりない、というわけだ。

たしかに、本書は、このような言い回しが多く、読みづらい感があることは事実である。
しかし、それをおぎなって余りあるほどの価値ある書籍なのだ。

特に印象的だった部分をあげると、「ルウディーのルタバガ法則」がある。

正直に言って、ストーリー部分が多く(自分(竹内正浩)の本も多いくせに、とお思いでしょうが・・・すみません)、非常にウィットやユーモアに富んだ内容なのであるが、ここでそれを書いていると、余計な文章になってしまうので、避けておいて、要約してみる(ただ、そこが良さでもあるので、ぜひ購入されて、読んでいただくことをおススメします)。

著者のジェリー・ワインバーグが13歳のとき、スーパーマーケットの臨時在庫係になった。
ジェリーが仕事に慣れていくと、あるパターンに気付いた。

それは、ルタバガ(カブランカン)が、ずっと飾り物となっており、いまだかつて買った人がいない、ということだった。
小売業にとって、売場スペースは、貴重な資源であり、重要だ。

そんなある日の朝、食品売場のマネージャーのルウディーと売場で、野菜を限られたスペースに、どうやって配置しようかと考えていた。

ジェリーは言った。

「気がついたんですけど、ルタバガはあんまり売れてないみたいですよ。それどころか、うちじゃ一番売れない野菜みたいなんです。もしルタバガには全然スペースを使わないことにして、それをほかのものに使ったらうんと損になるでしょうか。」

ルウディーは、バナナの空き箱に、ルタバガをぶちこみながら、言った。
「そりゃいい考えだぜ、坊や。」
ルタバガがなくなったスペースを眺めて、彼はこう言った。

さて坊や、そいつはいい考えだったよ。で、一番人気のない野菜は、今度は何だね。

「ルウディーのルタバガ法則」

第一番の問題を取り除くと、第二番が昇進する

この後のジェリーの文章は、とても刺激的だ。

コンサルタントとして私は、ときにあまりに深く依頼主の問題に首を突っ込みすぎて、それらを本当にきれいさっぱり片づけられると信じそうになることがある。だがルウディーの法則によれば、つねにもう一つ問題が残っているのだ。

問題が山積していて、多忙な日々を送っている人は、おそらくこう思ったことがあるだろう。
「問題が、まったくなくなって、すべて解決してくれればいいのに」

しかし、現実は厳しいもので、ルウディーのルタバガ法則によれば、問題がすべて解決することはないということになるのだ。
つまり、ある問題が解決すると、次の問題が昇進して、第一番目の問題と化すからである。

これは、非常に衝撃的な事実を示唆している。
つまり、人生において、人は、問題から解放されることはない、ということである。

常に、何らかの問題を抱えながら、人は生きていかなければならないというわけだ。
しかし、逆に、この法則を知っておくと、有意義なことがある。

それは、「問題から解放されることはない」と認識して、対処することができるからだ。
別の表現でいえば、問題から逃げるのではなく、問題に立ち向かうことができるということだ。

たとえば、ある問題に直面しているとする。
法則を知らない人は、こう思う。
「この問題を解決すれば、すべてきれいさっぱり、解放されて、スッキリすることができる」

しかし、法則を知っていれば、「この問題を解決しても、また、別の問題が来るものだ。特に淡い期待をせず、問題に対処し、問題解決のプロセスを充実してすごしつつ、今後の問題に対しても、きちんとした姿勢であたるようにしよう」という(あくまで例であるが)とらえかたができる。

端的に、この法則の効果を言えば、現実への適切な対処、心がまえ、心の準備ができるということだろう。
淡い期待と落胆の繰り返しを防ぎ、感情のブレが起こらずにすむ、心穏やかに問題に対処できる。

このような効果が得られよう。

たしかに、本書を読んだからといって、「即座に成功!」というものではないかもしれない。
しかし、人生の予備知識として、非常に有益な書籍であることは間違いないだろう。

67冊目

Posted in 名著, 哲学系 | 2 Comments »| タグ: ,

« Previous Entries

★メールニュースレター(無料)

竹内正浩メールニュースレターに登録する
お名前
Eメール

竹内正浩


竹内正浩のプロフィール
(宣言)「本ブログの方針」と「献本」について
ビジネス書名作選

竹内正浩の著書


『30代で年収3000万円を実現した300人に聞いた!稼げる人 稼げない人』竹内正浩(著)(東洋経済新報社)


『コーヒーとサンドイッチの法則 -「利益を獲得する」ための6つの戦略』竹内正浩(著)(東洋経済新報社)その韓国語版

★特別レポート集

★すごい本の論考

★【竹内正浩のビジネスCD・DVD】

★講演レポート

最近の投稿

Categories

ブログロール

アーカイブ:

検索:

メタ情報:

あわせて読みたいブログ

あわせて読みたいブログパーツ
Get Adobe Flash playerPlugin by wpburn.com wordpress themes