一攫千金―なにをやってもサイテーな男の成功術 安田 久 (著) #155

10月 18th, 2010 by blogown

一攫千金―なにをやってもサイテーな男の成功術 安田 久 (著)

かつて大ヒットとなったテレビ番組「マネーの虎」。
それに出演していたのが、飲食店の経営、プロデュースを業務とする年商10億のH.Y.Japanグループを統括する著者、安田久氏だ。

安田久氏のこの本からは、実践から得られた飲食ビジネスの構築方法を学ぶことができる。

僕が本書から学んだのは大きく4つ。

1.安田久氏の成功の裏には、やはり前職時代の経験がある

安田久氏は、前職時代に成功体験をしていて、店舗開発など起業とほとんど同じようなことをした経験がある。

それが彼を成功へと導いた重要な要素だ。

30代で年収3000万円を実現した人を110人取材調査してきた人間として感じるのは、彼もやはり同じようなプロセスで成功に至ったのだ、という納得感がある。

彼は、著書でこう述べている。

こうすればかならず当たるというシステムというかデータはあった。カンではない確証があった。まだそのころ勤めていた会社の店「ガネーシャ」が当たりに当たっていて、そのシステムをそっくり頂戴すれば、間違いなくヒットする。

システムとは、簡単にいってしまえば、客単価を4000円にする、靴を脱いであがらせる、半個室にする、というものだ。当時そんな店は珍しく、連日、有名人をはじめとするお客でごったがえしていた。

彼はそこから、大ヒットすることになる刑務所レストラン「アルカトラズBC」を立ち上げた。

もし、彼が店舗開発などの成功体験をしていなかったとしたら、どうなっていたか。
それはわからないが、成功の確率が確実に低くなっていただろう。

安田久氏が、前職時代に大ヒットレストラン「ガネーシャ」の立ち上げの中心人物であり、その成功のロジックを体感し、理解していたからこそ、それを転用することで成功を掴んだのだから。

2.客単価はターゲットでほぼ決まる。

次の話は、よくある話ではあるが、再認識した話。

客単価はターゲットでほぼ決まる。
サラリーマン、OLなら、4000円だ。

客単価が4000円という店は、どこでもサラリーマン、OLをターゲットとしているとみていい。

飲食ビジネスでは、客単価で明確にターゲットがわかれるそうだ。

ランチで言えば、1000から1500円までがサラリーマン層の上限で、それ以上は経営者や接待といった需要の層。

つまり、同じ飲食業でありながら、価格帯によって、客層・ターゲットも異なれば、利用用途もことなるというわけだ。

3.ダメな店じゃない店を作れば、成功の確率は高い

ダメな店じゃない店を作れば成功の確率は高い。

だとすると、ダメな店とはどんな店か。
安田久氏は、どんな店がダメな店かをこう解説している。

・従業員に商品知識がない店はダメ。
・オーダーストップが早いのも先行き暗い。
・電話に出ない。
・トラブルが起きたとき、すぐに対応しない。
・トイレが汚い。店が汚い。
・従業員が言葉をはっきり言わない。

どれも細かなことのようだが、奥の中心部がぐらついている証拠なのだ。こんな店は根本が間違っている。

たしかにこれらの要素はとても細かいこと。
しかし、「一事が万事」という言葉もあるように、ダメな店は細部でダメな点を露出しているわけだ。

細部に至るまで、きっちりと作りこむ。
挨拶をはっきり、動作をキビキビ、テキパキ動き、ピシッとこなす。
そういうちょっとしたことが大事なのだと再認識。

4.計数管理の重要性

安田久氏の成功をもたらした要素として、非常に大きいことが「計数管理」だ。

ちょっと長いのだが、彼の言葉を引用したい。

本質的な欠陥のある店。
向こう一年間の計数管理ができていないと、これはもう絶対といっていいほど、失敗する。
売り上げ目標、人件費、原材料費、水道光熱費。数字の目標と計画を立てる。

売り上げに対して、人件費と原材料費はふつう50パーセントから55パーセントと言われている。だけど、俺は、50パーセントくらいに抑えてないと、あまり儲からないと思っている。

家賃の高い安いは、やはり売り上げの何パーセントかで判断する。ふつう家賃は何パーセントか。俺にとっては10パーセントだ。

人件費と原材料費で55パーセントも出てしまう店舗、これで家賃が10パーセントなら、全体で65パーセントになる。これではニッチもサッチもいかなくなる可能性が高い。55パーセントなら家賃は7か8パーセントに抑えないといけない。

このように、安田久氏は、徹底的に計数管理をしている。
この計数管理をしていると、数字が把握できているので、赤字になることがとても少なくなる。

なぜなら、これを超えると、赤字になる可能性が高いのだというラインを把握できているからだ。

そして、どこにどれくらいのお金をかけることができて、家賃や内装、原材料費など、どれくらいの金額に抑えていなければならないのか、その水準を明確に把握できるのだ。

これがわかっていると、やはり強い。
死守しなければならないラインがわかっているから、どれが成功で、どうなると失敗かがわかる。

失敗すると、どうすればいいのかが考えやすい。
たとえ失敗しても、大ケガをすることはない。

それは、どこがどうなってケガしたのかがわかるからだ。
たとえば、家賃が15パーセントになっていたら、そこが原因。

数値管理、計数管理の重要性。
再認識した。

飲食ビジネスを構築するなら、知っておかなければならないことばかりだと感じた。

一攫千金―なにをやってもサイテーな男の成功術 安田 久 (著) #155

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ランディ・コミサー―あるバーチャルCEOからの手紙 ランディ・コミサー (著) #128

2月 12th, 2010 by blogown

本書は、Kleiner Perkins Caufield & Byers(クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ)のパートナーであり、クラリスの共同創業者、ルーカスアーツなどのCEOを勤めた著者、ランディ・コミサー氏が自身の人生を元に描き出した、半自伝的小説。

物語は、ベンチャーを立ち上げたいと望む若者レニーと、彼を導く自身(ランディ)によってつむがれていく。

本書で最も印象的だったのは、やはりランディの語る思想・生き方・ビジネス人生の歩み方の部分である。

彼が言っているのは、ビジネスを通して自分の人生を築くには2つのプランがあるということだ。

1.後配ライフプラン
2.生涯ライフプラン

1.後配ライフプラン
「やらなければならないこと」を優先させ、「やりたいこと」を後回しにするプラン。
義務をエネルギー源として金銭的な満足を得、その後、精神的な豊かさを享受する。
自分を捨てることが求められる。

2.生涯ライフプラン
「やりたいこと」を最優先させるプラン。
「やりたくないこと」をするより、もっと意味のあることに情熱を注ぎ、まず精神的な充足を得る。
金銭的な成功は副次的な要素と見なす。

ちなみに、1.後配ライフプランをもっと詳しく述べているので引用しておこう。

後配ライフプランでは、人生は二つの異なったステップに分類される。

ステップ1:一生懸命に働く。
ステップ2:定年退職後に人生を味わう。

私たちはみな、この後配ライフプランで教育されてきた。
シリコンバレーでも、後配ライフプランが動機づけとなって長寿を前提に定年退職までせっせと働き、そのあとでセカンドライフを味わうという人が多い。

ちなみに、この後配ライフプランには、2つの落とし穴があるそうだ。

ひとつは、まず、一般に、金さえ儲ければ、ステップ1の退職の時期を早めることができると思われているが、現実は甘くなく、実際に成功する人の数は極めて少ない。
つまり、そもそも、成功することが難しい。

二つ目は、運良くステップ2まで到達したとしても、ステップ1の生き方しか知らず、途方に暮れる人が多い、ということがある。

ランディ・コミサーが本書で語っているのは、ビジネスをよりうまくやっていく方法論ではない。
ビジネス人生の生き方について、である。

自分を捨て、後々の充足感のために、今、やらなければならないことを優先させて、「頑張る」のか。
自分自身が本当にやりたいと望んでいることをやり、意味あることに情熱を注ぎ、そのプロセス上で金銭を得るのか。

その選択肢を選ぶのは自分自身である。

ちなみに、2.生涯ライフプランを選んでしまった者はこう思う。

世間一般では、1.後配ライフプランが常識的な生き方だと思う。
それは、定年退職が一般的であり、また、セカンドライフという言葉が知られていることからもわかるだろう。

そのために、生涯ライフプランを選んだ者は、それが世間から認められるようになるまでの間、非常に世間体が悪いことになる。
なぜなら、一般的な生き方ではないからだ。

たとえば、「お笑い芸人」がそうだろう。
本当に「お笑い」が好きで、情熱を持って、「お笑い芸人」として知られたいと望む若者がいる。

彼は、きっと世間的に売れるまで、売れないお笑い芸人、収入的に低い人として、世間体は非常に悪い。
周囲からは冷たい視線を浴び続けることになる。
もちろん、売れてしまえば、手のひらを返したかのように、誰しもが賞賛してくるのだが。

このように、2.生涯ライフプランを選ぶには、それなりに犠牲もあり、覚悟も必要となるわけだ。

ただ、一方で、1.後配ライフプランを(無意識的にでも)選んだ人で、定年退職後を楽しみに、セカンドライフを充実させるぞ、と意気込んでいたけれども、実際に退職してみると、仕事しか知らずに生きてきたために、気の抜けてしまったようになってしまう人もいるそうだ(それが落とし穴の2つ目なのだが)。

どちらが正しいということはないだろう。
どちらを選びたいと思っているか、どちらの人生を生きたいと思っているか。
そういうことだ。

ランディ・コミサー―あるバーチャルCEOからの手紙 ランディ・コミサー (著) #128 You can buy this book on amazon.

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