崖っぷちで勝つランチェスター社長学 竹田陽一(著)#154
blogown 成功者に見られる二つのタイプ
著者の竹田陽一氏は、3-40年前、企業調査会社に勤め、
企業の信用調査や倒産取材の仕事をしていたので、多くの社長と出会っていた。
その頃、ナポレオン・ヒルがアンドリュー・カーネギーの提案を受けて、
まとめた『巨富を築く13の条件』、『成功哲学』が出版されていたそうだ。
竹田陽一氏が多くの社長と会っていくなかで、ナポレオン・ヒルの言うとおり、
燃えるような願望をもつとともに大きな目標を掲げ、
バリバリと仕事を進めて短い期間に大きな会社にした社長もいたそうだ。
このタイプの社長は、たいてい20代で独立しており、
朝が早く一年間に5000時間以上仕事をして、
竹田氏いわく「人間ブルドーザー」といえるような人で、
先天的成功者と名付けた(もちろん、このタイプのなかには、
やりすぎや手の広げすぎが原因で倒産する人もいるらしい)。
ところが、業績が良い別の会社の社長はというと、そうでもないのだった。
このタイプの人のやり方をまとめると、以下のようになる。
1.はじめは当面の生活費を稼ぐために、小さな事業を始めた。
2.特別大きな目標などなく、目の前の仕事に
とにかく長時間労働で一所懸命に取り組んだ。
3.この状態を10年ぐらい続けたとき経済的に
ゆとりがでてきたので、経営戦略の研究に取り組んだ。
4.経営戦略の研究をしていて「これが最も大事な原則だ」と
書かれていたので、素直にそのとおりにやってみた。
5.原則に従った経営を何年か続けているうちに、
売上がグングン伸びて利益性も良くなった。
6.このような成功体験が自信につながり、
今までよりは大きな目標が定められるようになったばかりか、
経営に対する意欲も強くなった。
このタイプは後天的成功者で、
独立したときの年齢は30-35歳が多くなっている。
このように、成功者には、先天的成功者の強者型人間と、
後天的成功者の弱者型人間の2つのタイプがいる。
しかも、後天的成功者のほうが10倍以上多かったそうだ。
竹田陽一氏は、この2つのタイプを対照させて表現している。
弱者型タイプ
1.長時間労働
2.戦略の研究
3.実行
4.高い実績
5.自信
強者型タイプ
1.願望
2.大きな目標
3.長時間労働
4.大きな業績
以上が本書『ランチェスター社長学』に書かれた成功者の分析である。
僕は、竹田陽一氏と同じように成功者に取材してきた。
具体的には、30代で年収3000万円を実現した人を110人。
そういう過程を経て、あらためて本書を読むと、
竹田陽一氏と同じ結論に至ることに気づかされた。
僕は、この成功者の2タイプを「おっとり成功者」と「ガンガン成功者」に分けた。
世の中には、「おっとり系」と「ガンガン系」がいるのだ。
「ガンガン系」は、外向的で能動的、自分の思うがまま、
営業でもガンガン売り込むことのできる性格の人のことだ。
そして、「おっとり系」は、内向的で受動的、おっとりしていて
着実にコツコツが得意な性格で、相手の気持ちを意識しすぎて
売り込みできずにいるような性格の人のことだ。
関連:「おっとりした人が成功するための7つのステップ」レポート
僕の主張と竹田陽一氏の主張は若干、異なる部分がある。
後天的成功者・おっとり成功者は、必ずしも経営戦略の勉強をしているとは言えず、
前職時代の経験や人脈、ノウハウを活用することが
重要なポイントであると感じるのに欠けている点などだ。
とはいうものの、僕にとってありがたく、
また「やっぱり!」という気持ちになったのはうれしかった。
それは、3-40年前に竹田陽一氏がその実体験から得られた洞察が、
僕が得た洞察とほとんど同じだったからだ。
そして、そのことは、社会の「おっとり系」にとっては素晴らしいことなのかもしれない。
なぜなら、「おっとり系」は成功者のなかでも大きなシェアを占めており、
また、その方法論、おっとり成功者への到達ルートの分析がなされているからだ。
ちなみに、僕が調査の上で得た「おっとり成功者」「後天的成功者」の
成功ルートについてお話しておきたい。
彼らは、おおむね、前職時代、独立時代の流れの中で、
「下積み」「種まき」「不遇の時代」を経験している。
なぜなら、おっとり系は、人間関係、信頼関係をベースに
顧客数、売上、利益が増加していく傾向にあるからだ。
人間関係、信頼関係の醸成には時間がかかる。
だから、それらの時代を経験するのだ。
ただ、いったん増加しだすと、口コミ・紹介が起こっていくために、
急ペースで増加していくことになる。
それがおっとり成功者の典型パターンだ
(もちろん、例外もあるし、そのパターンもいくつかに分類できる)。
僕の場合の「おっとり成功者」と「ガンガン成功者」の
成功者の2タイプの対照表は以下のとおり。

若干、違うと思う部分はあるにせよ、
3-40年前にすでに同じような洞察を得られていたことを知って、
驚きと同時に安心と自信を持った。
ということは、成功法則、というか、デキる人、うまくいく人の
パターンやタイプ、到達ルートなど(やっぱり俗に言う「成功法則」でしょうが)は、
時代が変わっても、3-40年前も現在も変わらないものなのだ。
本書を読んで、僕はそういうことを思った。
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