
6月 25th, 2010 by

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「ダイナシティの挑戦」鶴蒔靖夫 (著) と「1R(ワンルーム)男」杉本宏之 (著) の2冊を読んで、まとめてみること・・・
それは、「倒産した不動産デベロッパーにその流れを学ぶ」である。
マンションデベロッパーになるルートは、次の通り。
1.マンションの仲介、または販売代行をする。
これは、つまり、元手をかけずに、マンションを販売していくということだ。
もちろんマージンは低いが、元手をかけず、営業の力を示す効果がある。
2.人脈から物件を仕入れて、販売する。
これは、1で種銭をつくった後、販売する物件を仕入れて販売していくということだ。
物件を仕入れることで、在庫リスクは増えるが、マージンは厚くなる。
3.仕入れる規模が大きくなっていく。
これまで、仕入れる物件も、マンション数戸程度であったのが、
マンション数フロアとなっていき、最終的には、マンション一棟を仕入れることになったりする。
4.自社で土地を仕入れて、デベロッピングし、販売する。
ここまでで蓄えた資金と銀行からの借金で、土地を買い、1年近くかけて建物を建築して、販売する。
ここからは、新興デベロッパーがたどりやすいルート。
5.デベロッピングによる成功で、大きな成長を遂げる。
たとえば、エスグラントコーポレーションの場合、年商179億円へと成長を遂げた。
6.売れない物件も出てくることで、在庫が積みあがる。
完売すればいいものの、すべてがすべて売れるとはかぎらず、売れない物件も出てくる。
そうなると、不良在庫が積みあがってしまうことになる。
7.仕入れた土地の価格が下落し、販売マンションに利益が乗せられず、収支が狂う。
さらには、もし、土地の価格が下落局面であった場合、
デベロッピング用に仕入れた土地がその資産価格を減少させることになる。
販売マンションの価格には、もちろん、仕入れ値(土地の購入代金)分が含まれており、
それが現在に比べて高いということは、割高な仕入れ値であるが、それを価格に転嫁させなければならない。
しかし、マンションの販売価格はというと、周辺の価格と比べられるため、そこまでの値上げは困難。
であるために、マンションを販売していったところで、利益は出ず、収支が狂う。
8.かといって、人件費などの固定費の支出は必要となり、状況はまずいがデベロッピングし続けないと、経営が回らなくなる。
土地の価格が下落しているときは、何もしなければいいのだろうが、
何百人も雇用していたり、自社ビル含めて、オフィスを借りていたりするのだから、
何もしなくても出て行くお金はあるわけで、売上を上げ続けるためにも、デベロッピングし続けなければ、なかなか回らない。。。
9.経営が厳しいところに、銀行の融資も渋くなり、資金繰り難になり、倒産する。
そうなると、やはりすべての計算が狂っていき、銀行も貸してくれなくなり、
かといって、マンションも売れず、含み損も増えていく。
ゆくゆくは、資金繰りに窮するようになり、多くは倒産への道をたどる。
デベロッパーというのは、巨額の先行投資を行い、
1-2年かけて、物件を完成させ、販売して、回収していくビジネスであるのだから、
土地の価格リスク、在庫リスク、資金繰り問題など、色々と難しい経営課題を背負っているモデルだと感じる。
ダイナシティの挑戦 鶴蒔 靖夫 (著)
1R(ワンルーム)男 杉本 宏之 (著)
上記の著者の経営していた会社、ダイナシティ、およびエスグラントコーポレーションは、両社とも、民事再生法が適用されています。
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6月 19th, 2010 by

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金森重樹氏の著書。
率直な感想を述べると、「生々しい」。
25歳でフリーターだった金森氏。
先物取引によって数千万円の借金をつくってしまう。。。
結局は、借金1億2000万円、利息24%ということに、、、
当時の破産法では、投機的な行為での借金は免責不許可事由とされて、破産もできない状態。
絶望感に満ちた日々。
それが、金森氏の東京に出てきてからの18年間。
その話が、克明に描かれています。
現実の社会では、あまり目にすることはないにしろ、こういうことも存在しているということが痛感させられる。
そういう状態で、彼が求めたのは「理詰めで億万長者になる方法」。
『事業はロジックによってきっちりと仕上げるもの』
『事業をやるのに度胸が必要だと考えるようでは、まだ不確定要素が潰しきれていませんので、その事業をスタートする段階ではありません』
その言葉たちからは、金森氏自身の高い知性と同時に、借金のプレッシャーのなかで苦しみ、叩き上げられた力が感じられる。
借金地獄を疑似体験できる、そんな良書。
借金の底なし沼で知ったお金の味 金森 重樹 (著) #140 You can buy this book on amazon.
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5月 26th, 2010 by

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本書は要約して言えば、森ビル・森トラストという大企業を生み出した森泰吉郎氏と、その子供である森稔氏・森章氏にフォーカスを当てながら、森ビルと森トラストの経営についてレポートした内容。
印象的だった点は2点。
まず、創業者である森泰吉郎氏も、ビジネスする地域をフォーカスしていた点(地域戦略)。
森泰吉郎氏は港区への集中投資にこだわっていた。
「この港区が集中して開発するに足る立派な所だから開発するという考えだ。(中略)そして終戦後は港区の虎ノ門に移ったといえるのではないか。(中略)立派な場所が他にあるならば、そこを一点集中主義的な方法で開発すればいいことであり、私の場合はたまたま故郷である港区が、開発の対象先になったということだけ」
(中略)
港区で「森です」といえば、「ああ、どうも」とすぐに反応してもらえるような信頼関係も築き上げてきた。見知らぬ土地で底地買いをするよりはるかに港区は泰吉郎にとって効率的だった。
もう一点は、森稔氏がビジネスをする上での迷いを晴らしたところの部分だ。
「自分を納得させるためのいい訳だった。悩んだ末にたどり着いたのは、企業には三つの目的があり、それが三位一体だということだった。
まず、企業は利益を上げる。
ただし、最大利潤の追求が自己目的化してはいけない。
利益はあくまで能力開発。
では、何のための能力開発か。
それはよい商品をつくりだす。
不動産デベロッパーの場合は、よいビルを建て、美しい街並み、空間をつくるためのものでなければならない。このプロセスのなかに企業の存在価値がある。そう納得してからは迷いが晴れ、経営にまい進できるようになった」
単純に、利益を上げ、最大利潤を追求することが是であるというのが、現在の自由市場主義的な発想だろう。
しかし、その結果として、労働者階級やそれに準ずる層からの搾取によって、それが実現されてしまう。現状の、とりわけアメリカの行き過ぎた資本主義は、それが現実であることを物語っている。
しかし、本来的に、ビジネスは、森稔氏が述べるような存在価値、社会に対しての存在価値を示さなければならないのだ。
つまり、企業は利益を上げ、その利益を以って、よい商品、社会にとってさらなる価値あるものを開発し、社会に提供するということだ。
そうであれば、その企業の成長や存在が大きくなればなるほど、社会にとって、より好ましいものとなる。
ビジネスをしていく上で、心に留めておきたい考え方だと思う。
企業は利益を上げる。その利益を以って、よりよい商品を生み出す能力開発を行う。そして、よりよい商品を社会に提供し、また利益を上げる。
森ビル・森トラスト 連戦連勝の経営 小沼 啓二 (著) #136 You can buy this book on amazon.
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