転職―ネットワークとキャリアの研究 M グラノヴェター(著), Mark Granovetter (原著)#120

11月 28th, 2009 by blogown

有名な社会学者マーク・S・グラノヴェターの著書。
専門職、技術職、管理職といったホワイトカラーを対象に、転職情報の伝達経路について研究したもの。

結果としては、56%が人的ネットワーク(人的つながり)を用いて職を見つけ、18.8%がフォーマルな方法(9.9%が広告、8.9%がほかのフォーマルな方法・たとえば、エグゼクティブ・サーチ・サービスや公私の職業紹介所など)、そして、18.8%が直接応募を使用。6.7%がそのほかのカテゴリーに属しているというものだ。

本書でグラノヴェターが研究・主張しているのは、56%という大きな割合を占めている転職情報の伝達経路、人的ネットワークの内容についての点である。

端的に言えば、よく、頻繁に顔を合わせる、コンタクトを取るような、強いネットワークによって転職情報がもたらされるのではなく、あまり接点のない弱いネットワークからもたらされる傾向にあるということだ。

これは、強いネットワーク内であれば、相互に既知のものであることが多いからだ。
つまり、親しい、頻繁に顔をあわせる者同士は、それぞれのネットワークが相互に重複している傾向にあるからだ。

反して、弱いネットワークからの情報であれば、未知の情報である可能性が高い。
そのため、貴重で重要な転職情報を入手しやすいのである。

これは、つまり、情報の広い伝播においては、弱いネットワーク(弱い紐帯・weak ties)が重要な役割を持っていることを示している。

弱いネットワークを重要視し、大切に扱うこと。
そう学んだ一冊。

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夢をかなえるゾウ 水野敬也 (著) #92

4月 30th, 2009 by blogown

ぼくは、この本に社会を見た。

主人公は、フツーの会社員。

あるきっかけで、いわゆるセレブのパーティに参加して、格差を見せつけられる。
ハイタワーマンション、大きな部屋、アイドル。
華やかな世界。
自分の現実。
敗北感。

上ではない。
かといって、下でもない。

働かないヤツよりはマシ。
マイルドな敗北感。
甘い絶望。

不意に訪れる破壊衝動。

主人公は思う。
このままで終わりたくない。お金持ちになりたい。ちやほやされたい。成功したい。有名になりたい。なにか、こう、自分でしかできないような大きな仕事がしたい。今のままじゃダメだ。

それでも、変われない自分。
変わりたいと思っている。
けれども、「どうせ変われない」という思いも、うっすらと頭にある自分。

現代の若手、30代前後の人間であれば、たいていは当てはまっているだろう。それだけ、社会をあらわしている。だからこそ、100万部突破のベストセラーになったのだろう。

本書が読者にもたらすもの、それは主人公とのシンクロ。読者は、主人公に自分を投影し、ダブらせて、変わりたい衝動をこめながら読んでいるのだ。

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