20代で人生の年収は9割決まる 土井英司 (著) #159

12月 21st, 2010 by blogown

編集者・取材記者・ライターとして修行した後、Amazon.co.jp立ち上げに参画、2004年、30歳のときにエリエス・ブック・コンサルティングを設立。

個人の強みを見きわめてブランドを確立し、個人の持つ知恵を出版を通して世の中に広める活動を行っている著者で知人の土井英司氏の著書。

タイトル『20代で人生の年収は9割決まる』の通り、大きくは20代の社会生活をどうすごすべきか、ということについて書かれた本。

『断言します。30歳までの8年間必死にやれば、死ぬまで仕事に困りません!』とのオビの文章が印象的。

冒頭で、「ビジネスパーソンの成功は人それぞれ」と書かれてある通り、成功の定義は人それぞれであるけれども、各自の成功のために必要な「仕込み」の方法について書かれてある本だ。

本書を読んで最初に感じたこと

まず、本書を読んで感じたこと。

それは、自分自身の新刊と本書との近しさだった。

(超個人的な話で申し訳ないですが)僕自身が先日、出版させていただいた本(竹内の新刊『30代で年収3000万円を実現した300人に聞いた!稼げる人、稼げない人』)も広い意味で「仕込み」の方法の本だと思う。

それは、どういう「仕込み」をしていれば、10年間くらいで年収3000万円を実現するような成果が得られるのか、という本だからだ。

そういう点で、僕自身の本と本書は近い本だな、という感じがした(土井氏には失礼な話で申し訳ないけれども)。

その一方で、違う点もある。
それは、本書が「ビジネスパーソン各自の成功を実現する本」であり、自分の本が「30代で年収3000万円という、希少な存在になる方法をまとめた本」という点だ。ちょっと違う。

でも、僕は強く感じたことがある。

基本的な部分は本書も、僕の本も共通していて、「やっぱりそうだ」と思えるものだ。

そして、成功の方法というものは、シンプルでごく当たり前に見えるようなものなんだ。

本書で個人的に特に興味深かったところ

個人的に特に興味深かった部分を抜書き。

志望動機で「三つのなぜ?」が言えれば内定

「なぜこの業界なのか?」
「なぜこの会社なのか?」
「なぜ自分なのか?」

志望動機として、この「三つのなぜ?」について語ることができれば内定です。

たしかに雇用主側から見て、そういうビシッとした語り、論理的で説得力のある語りができる人は魅力的な人だろうなーと思う。

自分らしさや強みを見つけるためのポイントは三つ。

「1.何に時間とお金を使ってきたか
2.納得できないことは何か
3.プライベートでどんなことをしているか」です。

人の人生で、時間という資源は平等に与えられている。
その時間、同じ時間を、何に使ってきたか?
もちろん、お金も何に使ってきたか?

それによって、自分らしさや強みが出てくる。
強く同意。

たとえば、似たようなAさん、Bさんがいて、Aさんはビジネス書を100冊読んで、Bさんは鉱物学の本を100冊読んでいるとする。

そうすると、Aさんはビジネスについて、他の人よりよっぽど詳しくなっているだろうし、Bさんは、鉱物学について、他の人よりよっぽど詳しくなっているはず。

単純だけれども、大事なこと。

20代で人生の年収は9割決まる 土井英司 (著) #159

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崖っぷちで勝つランチェスター社長学  竹田陽一(著)#154

9月 30th, 2010 by blogown

ランチェスター社長学

成功者に見られる二つのタイプ

著者の竹田陽一氏は、3-40年前、企業調査会社に勤め、
企業の信用調査や倒産取材の仕事をしていたので、多くの社長と出会っていた。

その頃、ナポレオン・ヒルがアンドリュー・カーネギーの提案を受けて、
まとめた『巨富を築く13の条件』『成功哲学』が出版されていたそうだ。

竹田陽一氏が多くの社長と会っていくなかで、ナポレオン・ヒルの言うとおり、
燃えるような願望をもつとともに大きな目標を掲げ、
バリバリと仕事を進めて短い期間に大きな会社にした社長もいたそうだ。

このタイプの社長は、たいてい20代で独立しており、
朝が早く一年間に5000時間以上仕事をして、
竹田氏いわく「人間ブルドーザー」といえるような人で、
先天的成功者
と名付けた(もちろん、このタイプのなかには、
やりすぎや手の広げすぎが原因で倒産する人もいるらしい)。

ところが、業績が良い別の会社の社長はというと、そうでもないのだった。

このタイプの人のやり方をまとめると、以下のようになる。

1.はじめは当面の生活費を稼ぐために、小さな事業を始めた。

2.特別大きな目標などなく、目の前の仕事に
とにかく長時間労働で一所懸命に取り組んだ。

3.この状態を10年ぐらい続けたとき経済的に
ゆとりがでてきたので、経営戦略の研究に取り組んだ。

4.経営戦略の研究をしていて「これが最も大事な原則だ」と
書かれていたので、素直にそのとおりにやってみた。

5.原則に従った経営を何年か続けているうちに、
売上がグングン伸びて利益性も良くなった。

6.このような成功体験が自信につながり、
今までよりは大きな目標が定められるようになったばかりか、
経営に対する意欲も強くなった。

このタイプは後天的成功者で、
独立したときの年齢は30-35歳
が多くなっている。 

このように、成功者には、先天的成功者の強者型人間と、
後天的成功者の弱者型人間の2つのタイプがいる。

しかも、後天的成功者のほうが10倍以上多かったそうだ。

竹田陽一氏は、この2つのタイプを対照させて表現している。

弱者型タイプ
1.長時間労働
2.戦略の研究
3.実行
4.高い実績
5.自信

強者型タイプ
1.願望
2.大きな目標
3.長時間労働
4.大きな業績

以上が本書『ランチェスター社長学』に書かれた成功者の分析である。

僕は、竹田陽一氏と同じように成功者に取材してきた。
具体的には、30代で年収3000万円を実現した人を110人。

そういう過程を経て、あらためて本書を読むと、
竹田陽一氏と同じ結論に至ることに気づかされた。

僕は、この成功者の2タイプを「おっとり成功者」と「ガンガン成功者」に分けた。

世の中には、「おっとり系」と「ガンガン系」がいるのだ。

「ガンガン系」は、外向的で能動的、自分の思うがまま、
営業でもガンガン売り込むことのできる性格の人のことだ。

そして、「おっとり系」は、内向的で受動的、おっとりしていて
着実にコツコツが得意な性格で、相手の気持ちを意識しすぎて
売り込みできずにいるような性格の人のことだ。

関連:「おっとりした人が成功するための7つのステップ」レポート

僕の主張と竹田陽一氏の主張は若干、異なる部分がある。

後天的成功者・おっとり成功者は、必ずしも経営戦略の勉強をしているとは言えず、
前職時代の経験や人脈、ノウハウを活用することが
重要なポイントであると感じるのに欠けている点などだ。

とはいうものの、僕にとってありがたく、
また「やっぱり!」という気持ちになったのはうれしかった。

それは、3-40年前に竹田陽一氏がその実体験から得られた洞察が、
僕が得た洞察とほとんど同じだったからだ。

そして、そのことは、社会の「おっとり系」にとっては素晴らしいことなのかもしれない。

なぜなら、「おっとり系」は成功者のなかでも大きなシェアを占めており、
また、その方法論、おっとり成功者への到達ルートの分析がなされているからだ。

ちなみに、僕が調査の上で得た「おっとり成功者」「後天的成功者」の
成功ルートについてお話しておきたい。

彼らは、おおむね、前職時代、独立時代の流れの中で、
「下積み」「種まき」「不遇の時代」を経験している。

なぜなら、おっとり系は、人間関係、信頼関係をベースに
顧客数、売上、利益が増加していく傾向にあるからだ。

人間関係、信頼関係の醸成には時間がかかる。
だから、それらの時代を経験するのだ。

ただ、いったん増加しだすと、口コミ・紹介が起こっていくために、
急ペースで増加していくことになる。

それがおっとり成功者の典型パターンだ
(もちろん、例外もあるし、そのパターンもいくつかに分類できる)。

僕の場合の「おっとり成功者」と「ガンガン成功者」の
成功者の2タイプの対照表は以下のとおり。

若干、違うと思う部分はあるにせよ、
3-40年前にすでに同じような洞察を得られていたことを知って、
驚きと同時に安心と自信を持った。

ということは、成功法則、というか、デキる人、うまくいく人の
パターンやタイプ、到達ルートなど(やっぱり俗に言う「成功法則」でしょうが)は、
時代が変わっても、3-40年前も現在も変わらないものなのだ。

本書を読んで、僕はそういうことを思った。

崖っぷちで勝つランチェスター社長学  竹田陽一(著)#154

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ヤマダ電機に負けない「弱者の戦い方」―セブンとアトム、ヤマグチに学ぶNo.1企業との共存の法則 月刊「技術営業」編集部 (編集) #150

8月 11th, 2010 by blogown

弱者の戦い方 月刊「技術営業」編集部 (編集) #150

結構なスローペースで読書感想文を書いているわけですが、ようやく150冊目になりました。

そういう節目の一冊は、「弱者の戦い方」という本です。
正直言って、掘り出し物の一冊です。

家電小売業界では、大型量販店が圧倒的な存在感を持っています。
それは、業界人でない自分でもわかります。

たとえば、家電小売業界No.1企業のヤマダ電機は一社で売上高1兆7,678億円。
一社だけで、ものすごいパワーで攻めている状況ということです。

そういう業界環境下で、苦境に喘いでいるのが、いわゆる「町の電器屋さん」と呼ばれる「地域店」「地域の小さな電器専門店」です。

大型量販店の圧倒的な床面積、販売面積に比べて、弱小な経営基盤に、狭い床面積。

弱者です。

熾烈な競争下で、減少の一途をたどる弱者なのです。

しかし、一方で、このような大型量販店との競争を勝ち抜いている弱者もいるのです。

本書では、そんな勝ち抜いている3人の経営者に、強者と戦うための基本的な考え方、具体的な戦略・戦術を丹念に取材した内容が書かれています。

その3人の経営者とは、「セブンプラザ」山口社長、「でんかのヤマグチ」山口社長、「アトム電器チェーン」井坂社長の3人です。

本書に書かれている内容は、どれも非常に興味深いのですが、最も印象的なのは、大型量販店との競争を勝ち抜いている3人それぞれが、戦い方が各自異なっているという点です。

■「セブンプラザ」山口社長
九州の地域電気チェーン「セブンプラザ」。
「セブンプラザ」の戦略は、「お客様の近くでかかりつけの電器店」、つまり、「コンビニ家電店戦略」です。

「コンビニ」のように、明るく、清潔感のある店舗で、最寄品、小物商品、消耗品のような商品を多数扱うことで来店頻度を向上させ、「お茶だしサービス」などのおもてなしもきっちりと行う
加えて、加盟店の経営者にそれぞれきっちりとした経営知識を身に付けさせるなど、きっちりと、ぴっしりと経営をさせています。

■「でんかのヤマグチ」山口社長
東京町田市に大型店を構えるでんかのヤマグチ

でんかのヤマグチは、良客育成。
大型量販店の攻勢に、でんかのヤマグチは、「きめ細やかな顧客サービス・顧客満足」によって対抗しています。

1.お客様に呼ばれたらすぐにトンデ行くこと
2.お客様のかゆいところに手が届くこと
3.お客様に喜んでもらうこと
4.お客様によい商品で満足してもらうこと

経営的には、粗利益重視の姿勢で、値段は安くない。
しかし、その価格の高さは、実際には、「サービス料」。
お客様(たとえば、お年寄り)が説明してほしいといわれると、4回、5回行くように、懇切丁寧なサービスを実現するためのサービス料分なのです。

そのために、「お客を選ぶ」ということも。
1996年には、創業期から蓄積してきたお客を半分以上減らしたそう。
約3万世帯あった管理顧客数を13,000世帯にしたという。
3万世帯には、きめ細やかなサービスは無理だということ。

ちなみに、客層としては、ヤマグチの得意客には高齢者が多いそう。

■「アトム電器チェーン」井坂社長
全国500店を超える電気屋チェーンを組織するアトム電器チェーン

アトム電器チェーンは、全国主要量販店8社の店頭価格をデータ調査、さらに、メーカーや販売会社との良好な関係づくりによって、仕入れにおける大きな購買力を持つことで、価格面での力も持つ。

戦い方としては、大型量販店のウリが低価格で、地域店のウリが人間関係・サービスだとすれば、アトム電器チェーンは、低価格とサービスを両立させようとするもの。

もちろん、地域店一店舗のみでは、仕入れのための購買力が不十分。

だからこそ、アトム電器チェーンというかたちで、集まって強力な購買力を生み出し、低価格とサービスの両立を目指そうというのです。

圧倒的な力を持つ強者に対して、弱者はどう戦うべきか。

そのやり方は、いくつもあるということに気づかされます。

非常に考えさせられる内容です。

ヤマダ電機に負けない「弱者の戦い方」―セブンとアトム、ヤマグチに学ぶNo.1企業との共存の法則 月刊「技術営業」編集部 (編集) #150

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小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略 竹田 陽一 (著), 栢野 克己 (著) #145

7月 10th, 2010 by blogown

本書は、中小企業コンサルタントの竹田陽一氏と零細企業コンサルタントの栢野克己氏が、
豊富な経験をもとに、実戦に即したかたちで、
中小企業が成功するための戦略とマーケティング、営業のノウハウを披露したもの。

10万部を超えるベストセラーの一冊。

あまりに良書なので、この読書感想文に書いた気になってましたが、
意外なことにまだ書いてなかったことに気づき、書きました。

僕自身は、著者のお二人、
竹田陽一氏と栢野克己氏は知り合いです。

そのため、どうしても公平な判断がしづらいとは思いますが、
そういう偏見、バイアス込みで、本書は本当に素晴らしい。

だからこそ、ビジネス書で、経営系の書籍で
10万部という常識外れの大ベストセラーなのだと思う。

本書を端的に述べると、
「深い」、そして、「わかりやすい」。

まず、ランチェスター戦略というかたちで、
経営において重要な部分をそれぞれ解説。

・商品戦略
・エリア戦略
・客層戦略
・営業戦略
・顧客戦略
・時間戦略

これらのフレームワークは、
大枠として、経営をどのようにしていけばいいのかを理論面で解説。

どのように行動すべきか、
深い洞察が得られる内容だと感じる。

加えて、本書が「わかりやすい」ものになり、
非常に読みやすく、気づきが得られるものとなっている要因が本書を甘く包み込む。

それが豊富な事例である。

たとえば、「エリア戦略成功例1 保険営業の場合」

小さな島でもコツコツ回ればエリアナンバーワンに

九州一のセールスレディは長崎の島、平戸というところの森聖美子さん。

20年連続!で九州でほぼ一位とのこと。

平戸は人口が2万人くらいしかない島にもかかわらず。

最初は泣かず飛ばずだったそうですが、
左遷された上司が戦略のある人で、
「あなたはこの島を一軒ずつ回りなさい」と指導。

その結果、森さんの独り占めで、
ナンバーワンになったとのこと。

このようなかたちで、示唆に富む事例が
各章にいくつも挟み込まれ、アイデアが刺激されます。

自分のビジネスでは、
どのように応用できるのか。

そう考えながら読むだけで、
色々なアイデアがうまれてくること請け合い。

個人的に、そう何度も読み返す本は、
想像以上に少ないのですが、
そのなかでも、本書は、何度も読み返す、数少ない本の一冊。

名著。

ただ、一点。

著者の栢野克己氏も話していたことではあるのですが、
本書の事例のなかで紹介された会社のなかには、
民事再生法が適用されたり、倒産したりという会社もあることも事実。

しかし、どんなに戦略に沿った経営をしている会社でも、
時代の流れで商品が売れなくなったり、
新規事業で大コケしたりもするので、
どうしてもうまくいかなくなる会社も出てくるだろうと思います。

そういう点も加味しつつ、
総じて名著だと感じます。

何度も読み返すことになる一冊。

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略 竹田 陽一 (著), 栢野 克己 (著) #145

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