世界を旅するなかで、せっかくなので何かの基準で国際比較をしてみたいと思い立ちました。
国際比較の対象は王道「マクドナルド」と「スターバックス」。
そこから、何が見えてくるでしょうか。
中国・鄭州のスターバックスを訪れてみました
中国の古都・鄭州。
今回はこの場所のスターバックスを訪れてみました。
スターバックスラテ・グランデサイズの価格は?
スターバックスラテ・グランデサイズを注文。
気になるお値段は31元(約501円)。
・・・・・現地的にはちょっと高いんじゃないのか?
日本円で表現したところで、しょせん為替レート次第。
日本円と人民元の為替レート次第で、350円になったり、650円になったりするので、あまり参考になりません。
鄭州市の平均所得
鄭州市の平均所得は都市圏で33,616元。
2,801元/月といったところ。
日本円に現行レートで換算すれば、80,000円/月といったところ。
夫婦共働き+副業OKということを考慮に入れても、6,200元/月が世帯所得といったところでしょうか。
所得に占めるスタバ・ラテの比率から見る負担感
中国:所得に占めるスターバックスラテ・グランデサイズの比率
31元/6,200元=0.5%
※世帯所得として見てます
日本:所得に占めるスターバックスラテ・グランデサイズの比率
442円/350,000円=0.13%
※日本人の平均年収を420万円と想定しています。350,000円/月。
中国・鄭州市では、スターバックスに行って、グランデサイズのカフェラテを注文すると、月平均所得の0.5%を消費してしまいます。
日本では、スターバックスに行って、グランデサイズのカフェラテを注文すると、月平均所得の0.13%を消費してしまいます。
これは結構な差で、4倍くらいの負担感ですね。
日本でも、スターバックスと言えば、安くはないプレミアムブランド。
中国では、かなりハイエンドなプレミアムブランドになっています。
スタバ・ラテの価格から見る、中国社会の考察
鄭州市の平均が2,801元/月という話ですが、あくまで平均値。
たとえば、中国のタクシー運転手は有名な観光地ですら、ほぼほぼスマホのカーナビを使って運転していました。
つまりは、出稼ぎ労働者です。
知的労働者(ホワイトカラー)の所得ゾーンと、単純な肉体労働者(ブルーカラー)の所得ゾーンはおそらくは明らかに分かれているのではないでしょうか。
そんな推察をしてしまいます。
これはある面で中国の成長を推進するエンジンにもなっていて、都市部への低賃金労働者の大量流入が成長を促進しているところもあるのではないでしょうか。
たまたま行ったモーターショーで自動車の価格を見ると・・・
この鄭州ではJWマリオットホテル鄭州というホテルに宿泊しました。
ホテルは高級ホテルで満足です。
それで、隣接しているのがコンベンションセンターということで、たまたまモーターショーがあったんですね。
時間があったので、何食わぬ顔で入ってみたんです。
いくつかの自動車の価格を見ますと、日本の価格とさほど変わらないんです。
驚きました。
中国だからって、自動車が激安なわけではないんですね。
為替レートのことも考えて、30%低く見積もっても、さほど激安なわけではないです。
平均所得は1/4くらいなのに、自動車の価格はさほど変わらない。
なのに、会場では商談がいくつも・・・。
買える人は買えるんです。
中国の人口が14億人ということで、トップ10%でも1.4億人。
日本人より多いです。
鄭州は人口1000万人。
大阪が270万人なのですから、都市の規模としては大変大きい。
格差が激しいんです。
平均所得が80,000円/月の都市で、マイバッハが駐車してました。
マイバッハは一台2253万円くらいします。
日本はマイルドな所得格差。中国は厳しいくらいの所得格差
日本はマイルドに所得格差があるイメージです。
でも、中国は都市部と農村部で大きな格差があります。
さらに都市部でも、ビジネスオーナー、知的労働者と肉体労働者の格差。
中国は勢いはあります。
ただ、正直、暮らしにくそうに感じました。
日本人の僕はそう思ってしまいました。
中国は普通にお金持ちな人が多いイメージを持ちました。
金持ちと発展途上国的な生活の人との二極化。
日本で、世界で見る中国人は金持ち中国人。
たくさんお金を使いまくってくれます。
でも、その裏ではいまだ貧しい生活をしている人もいます。
中国は自国だけでものすごい経済規模を持つ国
そうして気づかされるのは、中国という国は自国だけでものすごい経済規模を持つ国だということです。
たとえば、今回、僕が行った世界遺産の観光地には大勢の観光客がいました。
兵馬俑、大雁塔、龍門石窟。
日本と比較すると、欧米系外国人は少ないです。
日本人もいないわけではないでしょうが、とても少ない印象。
では、誰が観光しているのかというと、中国人です。
また、僕が宿泊したホテルはマリオットが多かったですが、欧米の外資系ホテルチェーンが多かったです。
ただ、欧米の外資系ホテルチェーンですが、スタッフの一部しか英語が話せません。
また、欧米系外国人をそれほど見受けられませんでした。
日本とかだと、それなりによく見かけますが。
じゃあ、誰がホテル宿泊客なのか?
中国人です。
つまり、自国内の需要だけで、すでにものすごい経済規模を持っている国、それが中国なのです。
格差を是正するヒントはやはり「教育」か
それでふと考えることがありました。
「この格差は何から来るのだろうか」
それはやはり知的労働者と肉体労働者を分ける要素、つまり「教育」なのではないでしょうか。
たとえば、英語を話すことができれば、就職できる仕事の幅も広がり、所得も増えます。
その一方で、中国語を読み書きすることのできない層もいます。
僕が実際に直面したのは、西安のタクシー運転手さんでした。
そのタクシー運転手さんは高速料金の精算があったので、計算する必要があったのですが、2桁の足し算の暗算ができなかったのです。
そして、やりとりを見る限りはおそらくは字もそこまで詳しく読むことができない・・・
「教育」は貧困層から、ミドルクラス、アッパークラスへと上ることのできる平等さ、可能性の平等さを得ることのできるものではないでしょうか。
たとえば、ウェブデザイン。
イラストレーター、フォトショップ、HTML、PHPくらいができるだけで、中間層の所得から上の可能性が出てくると思います。
営業職や技術職などなど。
教育によって、貧困層からミドルクラス以上に行くことができる一方で、実際には教育格差は埋まることなく、世代を受け継いでいってしまうものです。
貧しいゆえに教育なく、貧しくなり、その子も同じく教育を受けないという負の連鎖。
そういうことを考えたスターバックスでした。