お金持ちになる動機の一つが、やはり高いものを買ってみる、体験してみるということがあるかなと思います。
よくある感じだと、ブランド品を買い集めたり、エルメスのバーキンを買ったり、ルイ・ヴィトンのバッグやブランド物の服を着て、高級なレストランで食事をするといったことが憧れられるような気がします。
とはいえ、実際にそれを体験できるようになったら、もちろん初めは未体験の世界なので、驚くとは思うんですが、それが日常となってしまうと、途端にくだらなくなります。
お金を使ったときの満足度:限界効用逓減の法則
ある人が頑張って、どんどんどんどんお金持ちになっていったとき、結構いろんなことにお金を使うと思うんですけれども、お金を使っていくにつれて、いろんなことを経験していくにつれて、たくさんお金を払っても、満足度はさほど上がらないということに多く直面します。
結論から先に申し上げれば、人生における満足度、全般に当てはまると思うんですけれども、限界効用逓減の法則という経済学的用語が最も端的に表現できます。
これはつまり、お金を使えば使うほど、お金をたくさん使ったからといって得られる効用というか満足はどんどんどんどん減っていくということです。
わかりやすい例を申し上げたいと思うんですけれども、もともと、僕が乗っていた車はホンダのフィットです。
ホンダ・フィットからアウディQ3
ホンダのフィットは、だいたい新車価格、約200万円前後かなと思うんですけども、まあ普通の車というか、超スピードが出るというわけでもないですし、走っていてロードノイズがして、そこまで静かというわけでもない。高級車という扱いを受けることもなく、特段の特筆すべきこともないですが、車としては燃費も良く、経済的で、室内も広く、非常に良い車だという判断をしています。
その次に悩んで買ったのが、アウディQ3です。

アウディQ3は中古車で買ったんですが、新車価格でだいたい5、600万円くらいですかね。僕は中古車で安く買ったんですが、
実際に乗ってみて、フィットよりも室内空間は広くはないんですが、ロードノイズも少なく静かで、スピードもすぐ出ますし、大変満足度の高い車でした。つまり、新車価格で言えば200万円から500万円までの効用は非常に大きかったと言えると思います。大変満足度が高い。
200万円から500万円と高くはなりましたが、それに比べて満足度も高くありました。
ランドクルーザープラドからレンジローバー
次にランドクルーザープラドを買いました。

その後ランドクルーザー250を買ったんですけれども、こちらは新車価格で言えば、620万円なんですけれども、大きくなって、スピードはそこまで出ていませんが、比較的静かで最新式ですし、満足度はそれなりにありました。
つまり、新車価格で言えば、アウディQ3とランクル250は同じくらいですから、満足度もだいたい似たような感じかなということになります。
それで、友人のレンジローバー。乗りました。
買ってはないんですけれども、新車価格で1500万円します。
ランクル250が620万円。そしてレンジローバーが1500万円。
だいたい3倍の価格になるわけなんですけれども、じゃあ効用というか満足度が3倍になるかといえば、まあならないわけですよね。
もちろん、レンジローバーはランクルよりも静かですし、スピードも出ますし、優雅ですし、高級ですし、細かい機能がいろいろとついています。高級感があります。
ただ、だからといって3倍の価値があるかといえば、ないでしょう。ただ値段は3倍です。
ここから先、ロールスロイスのSUVがあります。
だいたい4500万円くらいですかね。このロールスロイスのSUV、じゃあレンジローバーの3倍ですよね。
レンジローバーの3倍の満足度があるかといえば、まあこれも乗ったわけではないんですが、ないと間違いなくないと言えるでしょう。
このように100万円追加していったからといって、受け取る価値というか満足度が同じように比例していかない、 これを限界効用逓減の法則と言います。
お金と幸せ
すべての物事において、限界効用逓減の法則に支配されています。
ですから、お金がない頃はこう思ったかもしれません。
「たくさんのお金があったら、とっても幸せなんだろうなぁ」
そう思ったことがあるかもしれません。
今、お金がない自分がお金を持ったら、幸せになるだろうなぁ、と。
実際のところ、どうなんでしょうか?
人生の満足度
実際的なところを考えてみます。
例えば年収が300万円ある人が、年収700万円になれば、人生の満足度は間違いなく上がるでしょう。確実に。
世帯年収で福岡エリアだと、年収1500万円くらいまでは人生の満足度は上がるのかな、と思います。東京エリアだと、ざっくり貨幣価値が半分くらいになっていますから、年収3000万円の世帯年収までは人生の満足度が高まっていくイメージでしょうか。
ただ、そこから年収3000万円、5000万円、1億円になっていったとしても、さほどの満足度は上がらないということです。
人生の満足度は刺激のようなもの
わかりやすい例えでいうのは、 刺激みたいなものですね。
最初は初めてのことで、刺激がいっぱいだったのが、どんどん慣れてきて、麻痺してきて、 刺激が足らなくなって・・・
100万円の車でドキドキだったものが300万円の車になってドキドキ。500万、800万となって、満足ならんな、と1500万出していく・・・
「うーん、まあお金あるからいいか」って言って、4500万の車を買うわけです。
4500万の車を買う気持ち、つまり、ドキドキ・ワクワクの興奮は、おそらくはお金があまりない状況で300万円の車を買うのよりも、よっぽど興奮は低いですし、満足度もまあ本当は低いんですね。
これはやはり限界効用逓減の法則に支配されているからです。
刺激が薄くなってくるんですよ。ですから、非常に難しいです。
資産が増えたからって幸せになれるわけじゃない
年収300万の人が「年収1000万になったら幸せになれるぞ」と、実際になれると思うんですね。幸せに。
やれることが増えますし、前からやってみたかったこととか、不自由なことがなくなってきます。
ただ、それがもっともっと増えていったからといって大して変わらないです。大体のことは経験できてしまうので。刺激を失ってしまいます。
年収もそうですが、資産額もそうです。似たようなものなので、同じような感じです。
ですから、資産が増えたからって幸せになれるわけじゃないです。
「億万長者に共通する性格みたいなものはない」と思いますし、また、「億万長者と幸せは関係がない」とも思います。